(写真 神奈川新聞)
日本初の本格的なリゾートホテルとして知られる富士屋ホテル(箱根町宮ノ下)は、1日の営業をもって休館に入った。耐震補強工事を施すことが主な理由で、再開は2020年7月ごろの予定。同ホテルは「培ってきた温かさを残しつつ、新たな魅力を加え、愛し続けられるホテルになれば」としている。
同ホテルは、日本を代表するクラシックホテルの一つで、6棟が国登録有形文化財に指定されている。ことし7月で創業140周年を迎えるが、老朽化が課題となっており、本館など7棟で工事に着手する。
耐震補強だけでなく、ロビーや客室の改装、大浴場の新設などを計画する。現在多くの宿泊客は短期利用といい、松平隆支配人は「リニューアルを通じ、心も体も休まる、長期滞在したいと思えるホテルにしたい」と意気込む。
休館に入る前日の3月31日は146部屋が満室となるなど、伝統のホテルを堪能しようという宿泊客でにぎわった。静岡市の会社役員望月哲也さん(61)は「20年前くらいから家族と何度も訪れている。休館は寂しい」と話す。祖父の代から利用してきたという東京都豊島区の輸入雑貨業知野龍太さん(58)は「来ると元気になれる場所。改修を通じ、50年、100年と続くホテルになってほしい」と期待していた。
関連カテゴリー: