(写真・琉球新報社)
沖縄都市モノレール社(美里義雅社長)は10日、1944年の10・10空襲の被害と戦後の復興の様子を学ぶ企画列車「10・10空襲とよみがえる街」を初めて開催した。貸し切りのモノレール車両に、一般参加者30人、ガイド関係者27人が乗り込み、那覇空港駅から首里駅の1往復間、モノレールに揺られながらガイドの説明を受けた。
ガイド関係者にモノレールの新しい利用方法を提案するための企画で、企画列車のガイドを務めた同社営業企画課の我謝幸男さん(61)は「単発的な企画に終わらず、あらゆる利用に広がってほしい」と語った。
参加者は、空襲があった時間に合わせ、午前6時半に那覇空港で朝食をとり、空港を出発した。我謝さんは「戦争の恐ろしさは資料だけでは分からない」と話し、市民の証言を織り交ぜながら、各駅ごとにモノレールから見える地域の戦争被害を説明した。
首里駅からの帰りでは、中心市街地が戦前の那覇港周辺から、戦後は壺屋を中心に国際通り周辺へと移動した経緯などを解説した。
参加した野里千恵子さん(80)は「この内容を歩いて学ぶと、時間もかかって大変だ。那覇市の被害の総まとめができ、とてもいい企画だと思う」と評価した。【琉球新報電子版】
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