(写真・琉球新報社)
30日午後1時19分、沖縄県の那覇空港から訓練のために離陸しようとした航空自衛隊F15DJ戦闘機の前輪部分が故障し、タイヤが外れた。機体は自走不可能となり、那覇空港滑走路は午後3時9分に再開されるまで1時間50分閉鎖された。那覇空港事務所によると、民間機合計60便に欠航や目的地変更などの影響が出た。米軍嘉手納基地に一時的に着陸して待機した便もあった。琉球新報の取材では、遅延便も含め少なくとも7800人(同日午後8時現在)の乗客に影響が出た。
那覇空港は民間機と自衛隊が共同で使用する「軍民共用」。航空自衛隊那覇基地は詳細な原因について「調査中」としていて、31日以降の同型機の飛行については未定という。那覇基地によると、故障したのは那覇基地所属の戦闘機で、4機で飛行訓練に向かう予定だった。離陸滑走前に低速で移動していた際に、滑走路の南端近くで脱輪した。破損したのは前脚とタイヤのつなぎ目だった。
飛行前後に機体の点検があり、30日も整備員による外観の点検が実施されていたが、異常はなかったという。31日以降に同型機の本格的な点検を実施する。戦闘機の乗員にけがはない。
那覇基地がクレーンで事故機を移動させ、滑走路の確認を終えてから民間機の離着陸が再開された。空港事務所によると滑走路には深さ約1センチの擦過痕が確認されたが、運用には影響がないという。
同日午後5時現在で40便が欠航、14便が目的地を変更し6便が出発地に引き返した。
那覇空港は2016年7月に同基地所属のF15戦闘機が、滑走路のくぼみにはまって動けなくなり、約40分間滑走路が閉鎖されるトラブルが発生した。
那覇基地司令の川波清明空将補は「滑走路を閉鎖したことにより多くの方々に迷惑を掛け、おわびする。原因を調査し、再発防止に万全を期す」とコメントを発表した。