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米軍キャンプ・シュワブ沿岸部で海上警備する民間警備員の乗った船=2017年2月15日、名護市辺野古

 

会計検査院は8日に公表した2016年度決算検査報告で、名護市辺野古の新基地建設を巡り沖縄防衛局が発注した2015年~16年にかけての海上警備業務の人件費に関し、1億8880万円分が過大だったと指摘した。

 

国が決めた公共工事の積算に用いる「公共工事設計労務単価」(公表単価)ではなく、業者から提出された見積書で人件費を算定したことが原因で、同院は「公表単価を採用すべきだった」として防衛局に改善を要求した。

 

対象となったのは15年7月~16年10月の海上警備業務契約3件(契約合計額約46億1190万円)の警備員労務費計12億1223万円で、3契約ともライジングサンセキュリティサービス(東京)が落札した。

 

通常、公共工事の労務費の予定価格には、農水省と国交省が定める公表単価を適用する。

 

沖縄県では警備業務に当たる船員の労務単価として「2万2680~2万5440円(1日9時間当たり)」などの基準があるが、防衛局はライジング社の見積書に記載された「3万9千~5万9400円」など約2倍前後高い単価をそのまま採用し、人件費を算定していた。

 

また、実際に警備員に支払われた賃金は日当9千~1万円程度だったという。

 

公表単価を適用した場合の人件費は10億2339万円となるため、会計検査院は差額の1億8880万円を低減できたとして、防衛省に対し適切に算定するよう通知した。【琉球新報電子版】

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