イベントの取り組みを話し合う(左から)宮城和磨さん、池間ブランドン慎さん、比嘉夏香さん、新垣宙太さん=8日、北谷町美浜 画像を見る

 

今年4月に沖縄国際大学へ入学した学生が平和を考える団体「ピースフル・フューチャー」を立ち上げた。北谷高校の卒業生が中心となり、同世代と戦争や平和について考える場づくりを目指す。24、25の両日に開かれる沖国大祭でトークイベントを開催する。戦争体験者の証言の聞き取りをしてきた学生らが戦争の風化や同世代の無関心に危機感を持ち、自発的に活動を始めた。時には激しく議論しながら地道に続けてきた取り組みが、イベント開催で初めて実を結ぶ。

 

イベントは、ハワイ生まれの県系2世で、米陸軍の通訳兵だった比嘉武二郎さんの沖縄戦体験をベースにしている。比嘉さんの体験や証言をステージで紹介するとともに、グラフィックアートやレゲエのステージなど、さまざまな表現手法で戦争と平和の問題について考える。

 

メンバーは、いずれも英米言語文化学科1年の新垣宙太さん(19)、池間ブランドン慎さん(19)、比嘉夏香さん(19)、宮城和磨さん(19)の4人。北谷高校出身の新垣さん、池間さん、比嘉さんは同校の功刀(くぬぎ)弘之教頭の指導の下約1年、平和学習に取り組んだ。

 

新垣さんらは北谷高在籍時、町内の高齢者を対象に、戦争体験の聞き取りを続けてきた。さらに生徒が語り部となって高齢者らに披露することもあった。これらの経験を踏まえ、比嘉さんは「戦争を体験していない私たちにできることは歴史的な背景も含めて戦争を語り継ぐことだ」と語る。

 

大学で他の学生と関わる中で沖縄戦などに対する意識の違いを感じた。新垣さんは「戦争や基地問題を自分のこととして捉えられない人が多い。どうやって関心を持ってもらえるか考えるようになった」と話した。同じような思いを抱く4人が集まり、功刀教頭の助言も得ながらイベントの準備を進めてきた。功刀教頭は取り組みについて「戦時のことを今の生活に引き付け、身近なことから平和とは何か考える必要がある」とし、活動を支える考えだ。

 

「比嘉武二郎追悼イベント ラブ&ピースライブ」は24、25の両日とも午前10時~午後5時まで、3号館303号室である。詳細はホームページ(http://fuzzhead.jp/takejiro/index.html)で確認できる。 (下地美夏子)

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