24日に実施される辺野古新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票について、琉球大学の久保慶明准教授(政治学)が14日までに、学生を対象にしたアンケートで選択肢の提示方法が有権者に与える影響を調査し、結果をまとめた。選択肢が賛成と反対の2択に比べ、「どちらでもない」を加えた3択にした場合、埋め立て否定の割合が低下する傾向が確認された。久保准教授は「有権者の選択は選択肢の数や表現で変わる。一度決まった選択肢を変更した政治家の判断は重い」と指摘した。
調査には1~4年の学生512人が参加した。「賛成」「反対」の2択に199人、「どちらでもない」を加えた3択に157人、「賛成」を「容認」に変更にした2択に156人が回答。それぞれの質問項目はランダムに表示され、1人1回答えてもらった。
結果は「賛成」「反対」の2択では賛成34・7%、反対63・8%、白票1・5%だった。3択では賛成36・9%、反対40・1%、どちらでもない22・3%、白票0・6%で、2択に比べ埋め立て否定の割合が23・7ポイント低下した。
「容認」「反対」の2択では容認44・9%、反対54・5%、白票0・6%となり、「賛成」の2択に比べ、埋め立て肯定の割合は10・2ポイント増加し、埋め立て否定の割合は9・3ポイント下がった。
久保准教授は「『どちらでもない』という中間的な選択肢の追加や、『容認』という表現を使うことは単純な2択に比べ埋め立てに否定的な割合だけを低下させる可能性がある」と分析。その上で「(投票条例は)いったんは2択で可決した。選択肢の変更は投票行動を左右する可能性が大きく影響は大きい。県議会与野党ともに説明する責任がある」と事態を混乱させた県議会の対応を問題視した。
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