食品包装資材卸のダイユウ産業(沖縄県豊見城市、友寄喜隆社長)が、食物アレルギーがある人でも食べられる食品の生産を始めている。昨年に完成した麺製品を既に東京や埼玉など県外のレストランに出荷しており、6月から県内のホテルなどにも販売を予定する。
麺の原料に今帰仁産のクーガ芋を使用するなど、県産食材にこだわる。
商品は小麦や卵、ピーナツなど食物アレルギーを誘発する10品目を除去している。商品として製造・販売しているのは麺類で、食物アレルギー対応のほか脂分を除いたダイエット対応の2種類がある。今後は菓子類や総菜など商品の種類を増やす予定で、県産のシークヮーサーやマンゴーなどを使うという。
ダイユウ産業は2014年から食物アレルギー対応食品の商品化に向け準備を始めた。友寄社長は食品製造機器の設計や製造、販売を手がけるティーエスプラント(豊見城市)の代表も務めており、食品分野に進出することを決めた。食物アレルギー対応の食品を生産する理由について、友寄社長は「食品業界に新規参入するので、他社との競合を避けたいと思った」と説明する。
自社内に設置した食品製造機器でアレルギー対応食品を製造する。アレルギーを誘発する物質を製造所内から完全に除去するための設備も設置する予定という。商品は県内のホテルなどに提供して、アレルギーのある修学旅行生に食べてもらうことを目指す。
友寄社長は「アレルギー対応食品のニーズは今後さらに高まるはずだ。食品を通じて農家や製造業者など県内の各産業が潤ってほしい」と話した。
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