ギターを演奏する玉城デニー知事=28日午後、新潟県の苗場スキー場 画像を見る

 

新潟県の苗場スキー場で開催中の国内最大級の野外音楽イベント「フジロックフェスティバル」は最終日の28日、会場内の「アトミック・カフェ」で沖縄をテーマにしたトークライブがあり、玉城デニー沖縄県知事が出演した。玉城知事は名護市辺野古の新基地建設を巡る沖縄の問題を訴えたほか、自身の演奏も披露し、アコースティックギターをかき鳴らしながら張りのある歌声で聴衆を盛り上げた。

 

Tシャツ姿にギターを肩から掛けた玉城知事は CCRの「雨を見たかい」を演奏。2曲目は沖縄の人気バンド「ORANGE RANGE」のYOHさんと共にボブ・ディランの「見張り塔からずっと」を披露した。

 

演奏に先立つトークでは、ジャーナリストの津田大介さんをMCに玉城知事や元山仁士郎さん(辺野古県民投票の会代表)、YOHさんが沖縄の今について語り合った。玉城知事は父親が米兵だったことなど自身のルーツにも触れながら「(沖縄に)米軍基地があり続けている環境が、戦後74年、日本本土への復帰から47年たっても変わっていない」と強調。戦後、日本本土の反基地闘争を受けて米統治下の沖縄に基地が集中した経緯も示しながら「未来の子どもたちのこの状況を渡しちゃいけない」と説明した。

 

YOHさんは辺野古や東村高江で続く抗議行動について「行きづらい面もあると思うが、通りかかって気づけることもある。いろんな情報に疲れて、思考停止になるのが一番よくないと思う」と話した。26日からフジロックに参加している元山さんは、県民投票の運動を通じて「国がやってることはどうにもならないという人がすごく多いなと思った。でもそれを変えてくれないかというところを県民投票で意思を示そうとやっていた」と振り返った。

 

玉城知事は2002年に議員に初当選する前に人気ラジオ番組のパーソナリティーを務めており、バンド活動や県内アーティストへの作詞提供などもしていた。ロック音楽を愛し、昨年10月の知事就任後も那覇市内の公舎でギターを弾きリフレッシュしているという。

 

「アトミック・カフェ」は反核や脱原発のメッセージを発信しようと1984年に始まった音楽イベント。90年代にいったん活動を終えたが、2011年の東日本大震災後にフジロックで復活した。会場内にある新エネルギーを使用するエリア「AVALONフィールド」で毎年開かれ、今回は「沖縄」と「自主規制」がテーマになっている。

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