7月に発行した初の書き下ろしエッセイ集がすでに3刷と人気の「きらめく星のなったん」さん=12日、豊見城市の瀬長島(本人提供) 画像を見る

 

「『彼氏に浮気されたら死にたい』の発想がいまいち分からん。『彼氏に浮気されたらぶっ殺す』だろ戦え」-。率直だけど、どこかユーモアあふれるメッセージが「かっこいい」「面白い」と評判の短文を会員制交流サイト(SNS)で発信し、「文才のすごいギャル」として人気を集める沖縄県出身女性がいる。投稿を追い掛けるフォロワーがインスタグラム(写真に特化したSNS)で約20万人、ツイッター(短文投稿サイト)で約10万人いる東京在住の「きらめく星のなったん」さん(本名、年齢は非公開)だ。

 

このほど琉球新報社を訪れた「なったん」さんは「文才もないしギャルでもない」としながらも「反響に驚いている。私が普通にしていることに『どうしてそういうふうにできるの』と聞いてくる人も多い。みんなもっと自由に生きたらいいのに」と自然体だ。

 

7月25日に発行した初のエッセー集「待ち人来ずってなんなの 私から会いに行くから お前が待ってろよ」(KADOKAWA)が9月13日現在で3刷。恋愛や対人関係に関し考えを書きつづったもので「なったん」さんの強さや前向きさがうかがえる。SNSでは助言を求める人も多く、ネットメディアでは悩み相談の連載も持つ。

 

高校まで過ごした沖縄では不登校の経験もあることから「学校に行きたくない」という質問も寄せられる。「集団行動が苦手で自分を殺してまで人に合わせることができなかった。同じタイプの人は人の顔色をうかがってまで無理に一緒にいる必要はないのかな」

 

家族に手紙を書いたり、母親に読み聞かせをしてもらったりした経験から文章を書いたり、読書をしたりすることは「子供の頃から大好き」という。SNSでは読書の勧めも発信する。「言葉を知らないのはすごく損。知るためにも本を読むことは大切」と話す。

 

「内地に住んで改めて沖縄の良さに気付けた。沖縄は人が温かくて定期的に帰りたくなる場所」という「なったん」さん。既に出版が決まる2、3作目では「沖縄でどう過ごしたかということや、沖縄に生まれ育ったからこそ持っている感性についても書く」予定だ。
(宮城久緒)

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