埋め立て工事や軟弱地盤改良の際に地中に埋め込む工事用資材「ドレーン」の材料を、プラスチックから環境負荷の少ない植物性に置き換える取り組みを、丸昇建設(三重県)とキャドテック(福岡県)が進めている。県内では泡瀬の沖合埋め立て工事で初めて使われた。世界的にプラスチックごみの削減が課題となっており、植物性プラスチック導入は県内の工事現場でも広がる可能性がある。
ドレーンは地盤を強固にするために用いられ、排水路の役割がある。従来は「アンカープレート」と呼ばれる金属性パイプにプラスチック製ドレーンを通し、アンカープレートだけを抜いてドレーンを地中に埋める工法を用いる。地中に埋められたプラスチック製ドレーンが経年劣化で海へ流れることもあり、海洋汚染の原因になっている。一つの工事で何トンものプラスチック製ドレーンが使われ、地中に放置される。
植物性ドレーンは、チカミミルテック(高知県)が製造し、導プランニング(沖縄市)が県内に仕入れた。県外では15年前から使われ始め、これまで74件の工事実績がある。トウモロコシ製で微生物によって自然分解されることから、環境にも優しい。8月から10月にかけて泡瀬沖合の埋め立て工事で使った植物性ドレーンは総重量が約6・5トンだった。
丸昇建設沖縄支店の長瀬才典さんは「世界的にプラスチックごみが問題だ。少しでも自然に優しい材料を使って工事してほしい」と話した。
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