新型コロナウイルス感染拡大防止のため、在宅勤務など「新しい生活様式」の実践が求められている。家で仕事ができない人の需要に応えようと、県内ホテルの一部は客室などの施設をテレワークに活用するよう提案している。
コンドミニオマキシ(那覇市)は7日から「テレワーク応援プラン」を始めた。一部の客室をオフィス風に改装した。出社が制限されている地元客などの利用があるという。
同ホテルは外国人の利用が多く、昨年9月ごろまでは稼働率が9割を超える日が続いていた。しかし日韓関係の悪化に加えて新型コロナウイルスの影響で客は激減。外国客の回復には時間がかかると判断し、県内、国内の需要を取り込む戦略に切り替えた。ホテルを運営するK・Styleの渡辺和明総支配人は「沖縄ではテレワークプランはまだ少ない。在宅勤務はコロナ禍が終わっても続くと思う」と話した。
ノボテル沖縄那覇(那覇市)も在宅勤務の広まりからテレワークプランを始めた。グルメバーを活用し、千円で3杯までドリンクを提供する。時間は無制限で、無料Wi―Fiやコンセントなど仕事をしやすい環境が整っている。担当者は「働き方は変わっていくのではないか。当面の間はプランを続ける」と話した。
新型コロナウイルスが収束して県外からの観光客が戻ることを見据え、リゾート地で仕事をする「ワーク」と「バケーション」を合わせた「ワーケーション」の可能性も注目されている。仕事をしながら長期滞在することで、1人当たりの消費額向上が期待される。
沖縄総合事務局は2019年度にモニターツアーを実施した。県外からの参加者からは「業務上の支障はあまりなかった」「気候が温暖で花粉症がない環境で業務に集中できた」など高い評価を受けた。
総合事務局の担当者は、これまでは通信機器などが整備されていない企業も多く、ワーケーションを進める上で課題となっていたとして「新型コロナウイルスの影響で、大企業以外でも在宅勤務が広まり環境はかなり整備された。収束後は期待ができる」と話した。(中村優希)