「エーダッシュ・デザイン・アワード」でゴールド賞を受賞した浦崎翔太さんの作品「クラウドチェア」 画像を見る

 

沖縄県立芸術大学造形芸術研究科生活造形選考デザイン専修大学院2年の浦崎翔太さん(26)がこのほど、世界最大の国際デザインコンペ「エーダッシュ・デザイン・アワード・アンド・コンペティション」の家具部門でゴールド賞を受賞した。浦崎さんは晴れの日に一方面だけ降る雨「かたぶい(片時雨)」をイメージした「クラウドチェア」を出品した。

 

同コンペは99部門あり、各部門でプラチナ、ゴールド、シルバー、アイアンの各賞が贈られる。プロのデザイナーがデザイン力をアピールする場となっていて、浦崎さんを指導した高田浩樹准教授もシルバー賞を受賞した経験がある。学生の受賞は珍しいという。

 

今回は全体で4万7272作品の応募があった。家具部門は出品が多い人気の部門という。同部門は114作品が入賞し、日本人の受賞者は5人だった。

 

浦崎さんの受賞作品は、高さ60センチ、幅80センチの椅子。ウレタンのスポンジにポリエステルの綿を埋め込んだ座面から、ステンレスの細い脚がたくさん伸びていて、人が座ると、雨を降らせる白い雲に乗っているように見える。浦崎さんは散歩が趣味で、晴れの日に海岸で雨が偏って降る「かたぶい」を見掛け、発想を得たという。

 

作品は4月に若手デザイナーの登竜門となっている展示会ミラノサローネ・サテライトの審査を通過したが、新型コロナウイルスの影響で展示会が中止になった。改めてエーダッシュコンペに応募し、受賞が決まった。

 

浦崎さんは「受賞できて純粋にうれしい。素材の扱いや調達のため、後輩や高田先生に協力してもらった。制作は1人で完結したのではなく、いろいろな人に関わってもらった」と受賞を喜んだ。

 

浦崎さんは、大手企業のデザイン関連部門に就職が決まっているという。

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