沖縄地方を襲った台風9号の通過から一夜明けた2日、県内各地では突風で飛ばされた樹木などの後片付けに追われたり、汚れた車の洗車のためガソリンスタンドに行列ができたりする様子が見られた。船の欠航が続き、離島のスーパーでは品薄状態が続き、停電やインターネット回線の不具合で窓口業務を一時休止する役場もあった。久米島町では農作物の被害額は9953万円(速報値)に上り、農家は「順調に育っていたのに残念だ」とうなだれた。
久米島町謝名堂のAコープ久米島店では、フェリーが8月31日から欠航しているため商品を十分に入荷できず、旧盆の買い物客らに影響が出た。同店の仲本一志店長(57)は「食べるものに困るというほどではないが、(旧盆最終日の)ウークイの買い物ができなかった客は多いはずだ」と話した。
町職員や農家、JA職員、製糖工場の職員らは朝から農作物の被害確認に追われた。サトウキビやオクラ、キクなどが被害を受けた。50代の男性農家は「コロナと台風の二重苦だ。肥培管理にもしっかり取り組み、収入を期待していたのに」と肩を落とした。
渡嘉敷村の一部地域では固定の有線電話がつながらない状態になったが、同日中に復旧した。県は台風9号に関する第2回県災害対策本部会議を開き、同日午前9時半時点の被害状況を報告した。県によると、軽傷者8人で40代が1人、60代1人、70代4人、80代1人、90代1人と、高齢者の割合が高かった。重傷者はいない。
避難所は最大36市町村が124カ所を開設し、580人が避難した。恩納村では発熱者1人の避難があり、一般の避難者と別の部屋に誘導した。住宅の一部損壊は5件で、うち4件が那覇市内。それ以外の建物では半壊が1件、一部損壊が2件あった。
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