企業の説明を聞く高校生ら=7日午前、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター 画像を見る

 

沖縄労働局は7日、2021年3月に高校を卒業する生徒を対象に「新規高卒者合同企業説明会」を宜野湾市の沖縄コンベンションセンター展示棟で開催した。説明会には、前年度比約4割減の82社が参加した。参加企業の求人数は昨年度比約6割減の764人となった。新型コロナウイルスの影響で求人数が減少する中、県立高校33校から生徒268人が参加し、16日から始まる採用選考に向けて企業の人事担当者から説明を聞いた。

 

沖縄労働局などによると、昨年は136社が参加し、求人数1851人だった。当時、生徒らは自由に聞きたい企業のブースを訪れて説明を自由に聞けた。面接、筆記試験もあり、内定が決まる生徒もいた。ことしは新型コロナの影響で採用選考開始の時期が1カ月遅れたことを受け、説明会のみの開催となった。

 

さらに感染症対策も徹底し、企業ブースの間に仕切りを設けた。企業が説明する場では、高校生も1回当たり4人までに参加を制限した。会場を4区画に分け、生徒らは学校ごとの単位で会場を回った。

 

1区画で生徒が説明を聞ける企業数は1社、時間は25分と制限された。その後、生徒は次の区画に移動する流れで、その動きも一方向と決まっていた。1区画内に20社ほどのブースがあったが、生徒は同じ区画の別企業から説明を聞けない状況だった。

 

新規高卒者向けの求人倍率は7月末時点で、前年比0・36ポイント減の0・83倍。就職希望者数2060人に対し、求人数は1711人となっている。沖縄労働局職業安定部の大山徹部長は「企業に中長期的な求人の確保をお願いしている。生徒にもセミナーや模擬面接の実施など学校外でサポートする」と話した。

 

参加した高校生の上門留偉さん(17)は「聞きたい企業があるのに(4人までの)満員で聞けなかった」と残念そうに話した。新垣恵未さん(18)は「求人が少ない中、採用されるか心配だ。面接では、どうアピールしたら印象に残るのだろう」と語った。

 

新型コロナウイルスが流行する前に就職活動し、20年3月に卒業した高校生の内定率は98%で、過去最高を更新していた。
(吉原玖美子)

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