環境省や沖縄県は12日、本島北部でのマングース防除事業の2019年度実施結果を発表した。大宜味村塩屋から東村福地ダムにかけてマングース北上防止柵を設置した「SFライン」以北で捕獲されたマングースは39匹だった。前年度より10匹多いが、環境省や県は捕獲数が最も多かった07年度の16分の1に減っていることから「沖縄島北部地域におけるマングースの個体数と分布域は順調に縮減している」としている。
これに関連し、環境省や県はマングースによる捕食が指摘されてきたヤンバルクイナやケナガネズミ、イシカワガエルなど在来希少種の個体数や分布域が増えているとした。
SFライン以北のマングース捕獲数は07年度に619匹だったが、17年度に最少の28匹となった。18年度が29匹、19年度が39匹。環境省によると、現在はやんばるの北側や中央部ではマングースの駆除が順調に進み、SFライン付近の大宜味村と東村の一部に追い込んでいる状態。26年度までにSFライン以北で「完全排除」する計画。
発表によると、マングースによる捕食が問題となってきたヤンバルクイナは18年度までの調査では東村側で生息域の回復がみられていたが、19年度は大宜味村側の大保ダムから国頭村の境でも生息域が回復した。オキナワトゲネズミやケナガネズミも、希少種であることを理由に詳細な情報を明かしていないが「生息が推定される面積が増加傾向にある」としている。
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