自民党本部=東京都千代田区永田町 画像を見る

 

菅義偉首相(自民党総裁)と同党の山口泰明選対委員長は次期衆院選の公認候補の選定を巡り、2回以上連続して小選挙区で敗れて比例代表で復活当選した現職議員について、選挙区と比例代表の重複立候補を原則、認めないと確認した。党の基本方針を厳格に適用する。関係者が9日明らかにした。

 

自民党の基本方針に照らせば、沖縄県関係では、衆院沖縄1区で2回連続落選した国場幸之助氏と、沖縄2区で3回連続落選した宮崎政久氏の2氏が対象となる。両氏はいずれも次期衆院選に出馬する意向で、自民県連は国場氏を沖縄1区、宮崎氏を沖縄2区から擁立する方針を決めている。

 

国場氏は2012年の衆院選で初当選し、14、17年は共産党の赤嶺政賢氏に敗北し、いずれも比例復活した。宮崎氏は12年、14年の衆院選で社民党の照屋寛徳氏に敗北し、比例復活した。17年の衆院選は比例復活できなかったが、自民党の園田博之氏(比例九州ブロック)の死去に伴い、18年11月に繰り上げ当選した。

 

菅首相は8日昼に山口氏と会食し、重複立候補に言及。「党活性化のため、原則にのっとって厳格に判断してほしい」と要請した。

 

山口氏も首相の意向に従って選定作業を進める意向だ。今後、過去の惜敗率の推移や、対立候補の浸透状況を十分に勘案し、人選に当たる。

 

自民党は2017年の衆院選後、重複立候補に関する基本方針を決定していた。当時から党内では、復活当選に対し「比例代表での当選を最初から当てにして、党員獲得などの日常活動をおろそかにしている人がいる」との指摘が出ていた。

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