沖縄県医師会が県内の医療機関を対象にした緊急調査で、インフルエンザワクチンの在庫が「ゼロ」だと回答した医療機関が約9割に上ることが分かった。特に中南部ではほぼ在庫がなくなっており、県医師会は「過度に余っているところがあれば、足りないところに割り振れるよう在庫を調整したい」としている。一方、ことしは新型コロナウイルスの感染拡大を受けて手指消毒などが徹底され、インフルエンザは流行していない。「あまり不安がらずコロナと同様に感染症対策を徹底してほしい」と呼び掛けている。
(阪口彩子)
今季は新型コロナとの同時流行を警戒し、インフルエンザワクチンの接種希望者が増加。県内医療機関でワクチンが枯渇し、県医師会は今月2日から各地区医師会を通じて緊急調査を実施した。547の医療機関から回答を経た。
7日時点で「在庫がある」「ワクチンの再入荷の予定がある」と答えた医療機関は約1割で、在庫があると答えた医療機関も、接種の予約分に当てるとなくなるところが多かった。需要に見合う再入荷の見通しも立っておらず、県医師会は、今後の接種は難しい状況だとみている。特に中南部で「在庫ゼロ」が目立ち、北部・宮古・八重山は在庫が一部確認された。県医師会によると、11月末時点でインフルエンザの流行は確認されておらず、引き続き感染リスクが高くならないよう、感染症対策を呼び掛けた。
インフルエンザワクチンの供給状況について県内のある医薬品卸業者は、昨年度よりワクチンの仕入れを約2割増やしたが、それ以上に医療機関からの注文が多いという。ワクチンが入荷するたびに納品を繰り返しているとして「受注に合った数をメーカーから仕入れができているわけではない」と明かした。
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