歩道で寒そうに身を縮めるメジロ=10日、豊見城市嘉数(提供) 画像を見る

豊見城市内の路上で撮影された、ある写真がツイッター上で話題となっている。写真に写るのは、道ばたで身を縮めた1羽のメジロ。写真には「どうしよう…。歩道で寝てる…。あとめっちゃかわいい」との言葉も添えられた。投稿したのは、那覇市在住の「国場のポッチャ」さん(37)。10日午後3時ごろに撮影し、投稿。翌11日午前11時ごろには、スマートフォンの通知が鳴りやまないほど、ツイッター上で拡散された。

 

「ONLINE2021おきなわマラソン」にチャレンジするため、豊見城市内をジョギングしていたというポッチャさん。10日は、県内各地で今季最低を記録した9日に続き、冷え込んだ。気象庁の記録によると、この日の那覇市の平均気温は13.4度。ポッチャさんが走っている間、汗もかかないほど寒かったという。

 

豊見城嘉数の歩道を南部農林高校向けに走っている最中、鮮やかな黄緑色の物体に目が止まった。「おもちゃかな?」。近づいて見てみると、1羽のメジロが体を丸めていた。巣から落ちたと思い、周辺の街路樹を見回したが、それらしきものは見つけられず。「自転車や歩行者に踏まれてしまうかもしれない」とメジロの身を案じ、肩に乗せながら巣を探し始めた。

 

ポッチャさんの肩に乗ったメジロは、振り落とされないように、しっかりとしがみついていたという。約200~300メートルほど歩いたところで、突如、飛び立った。「あのまま放っておいたら大変な目に遭ったかもしれない。元気になってよかった」。こう思いながら、快晴の空を見上げた。鳥と散歩するのが長年の夢だったとか。「いつかまた会える日を楽しみにしている」と話した。

 

心和む話題は、大きな反響を呼んだ。14日午後2時時点で、約6万6千のリツイートがあり、「いいね」は40万7千を超えた。テレビ局やネットニュースの取材も受け、ポッチャさんは時の人に。FM沖縄「ゴールデンアワー」のヘビーリスナーでもあり、普段はラジオの話題を中心につぶやいている。フォロワーも120人近く増えたという。「思った以上の反応に戸惑っています」とはにかんだ。

 

「沖縄野鳥の会」の会長・山城正邦さん(58)は、メジロが人通りのある道路でとどまることは不自然だとして、「車にぶつかって脳振とうを起こしていた可能性がある。体調が悪い状態で、体が冷えていたのではないか。体調が回復するまで羽を膨らませて体温を維持しようとしたのだろう」と推察する。メジロは冬になると、エサを求めて活動し、街中で飛び回ることも多いという。路上などで見つけた際には、(1)安全な場所に移動させる(2)猫などが近づかないよう体力が回復するまで見守る(3)回復しない場合は県の自然保護課に連絡する―ことを呼び掛けた。

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