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「今回の本で、三女の亜子が発達障がいとともに生まれたことを初めて書きました。私は美宇という日本一の卓球女子を育てた母親と言われますが、同時に障がい者の娘を育てた母親です。どちらも同じ子育てなんです。そのことを伝えたいと思いました」

 

そう語るのは、ドイツで開催された卓球世界選手権女子個人で48年ぶりの銅メダルに輝いた平野美宇選手(17)の母・真理子さん(48)。

 

山梨県甲府市郊外で卓球教室「平野卓研」を営む真理子さん。娘の応援に赴いたドイツのホテルで、新著『美宇は、みう。』(健康ジャーナル社)の原稿を書き綴った。その中で、三女の亜子さん(12)が発達障がいだと初告白したのだ。

 

「亜子は対人関係が希薄で思ったことをそのまま素直に行動に移しますから、幼児期は『先生のお話を聞きましょう』と言われても、嫌なのですぐに向こうに行ってダラーっとしてしまう。無理に引き戻しても逆効果。ゆっくり諭すように話して、時間をかけてやらせました」

 

真理子さんが美宇選手の遠征に付き添って家を空けるのが寂しくて泣いていた亜子さんは、6歳で「亜子も卓球やりたい」と言い出したそう。

 

「本人が『やる』と言うならママの私も徹底して付き合おうと。美宇もたまに実家に戻ったときは、卓球で亜子の相手をしてくれます。亜子にとって日本代表の姉は“雲の上”の存在。美宇から『亜子、こういう風に返すんだよ』とレッスンをしてもらうと、『美宇ちゃんが教えてくれたよ!』って大はしゃぎ。『ショートバウンドで打ち返したら相手に勝てるよ』と教えると、ひたむきに一生懸命練習していました。執着心は相当なものなんです」

 

3姉妹でいちばん最後に卓球を始めた亜子さんは、瞬く間に頭角を現した。昨年には小学生日本代表として海外に派遣されるまでに。「あの亜子がここまでねえ」と真理子さん自身も驚いたという。

 

「大体ひとりでできるようになりましたが、頬にケチャップがついていても平気とか、気になることもあります。少しずつゆっくり、ですね。美宇の目標は3年後(東京五輪)。そこで金メダルを狙っています。姉妹3人、みんながんばっているのが自慢です!」

 

卓球一家の子育てママはそううれしそうにほほえんだ。

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