(写真:アフロ)
いよいよ3年後に迫った東京2020オリンピック・パラリンピック。期待のアスリートが目白押しで、3年たったら、今は一般的に無名な選手たちでも、メキメキ実力をつけ、連続メダルを狙う有名選手たちとの大混戦が期待できそう。今からチェックして、五輪予選・本戦を巡る熱いドラマを楽しもう!
「リオ五輪の金メダリストでさえ、東京五輪に出られるかどうかわかりません。それほど代表を勝ち取ることの難しさが増しています。東京五輪の戦いはすでに始まっているのです」
そう語るのは、柔道専門誌『近代柔道』の岩佐直人編集長。日の丸を背負うことが、すなわちメダル候補と期待される柔道。国内で繰り広げられている熾烈な闘いのなかで、キラリと光っている選手を岩佐編集長に挙げてもらった。
「52kg級の高校2年生の阿部詩選手(17)は、今年2月には国際大会で優勝するなど、メキメキ力をつけています。センスとルックスを兼ね備えていて、人をひきつけるスター性もあります。52kg級は強豪選手がひしめく階級ですが、彼女が代表選手になれば、現在世界2位にランクされている男子66kg級のホープ、阿部一二三選手(19)と、柔道では初となる、兄妹で五輪出場する可能性もあります。『兄と一緒に東京を目指す』と発言した彼女は”兄妹メダル”も視野に入れて毎日汗を流しています」
昨年のリオ五輪では、90kg級のベイカー茉秋(22)、73kg級で大野将平(25)が表彰台の頂点に立つなど、全階級でメダルをとった男子の活躍が目立った。
「東京五輪では、ベイカー、大野の2連覇も注目のひとつですが、お家芸である柔道の華、最重量級の100kg超級は、絶対に負けられない戦いになるはずです。この階級には、五輪2連覇中のフランスのリネール選手という圧倒的な王者がいます。彼を倒そうと、リオ五輪銀メダルの原沢久喜選手(25)と王子谷剛志選手(25)が国内でしのぎを削っています。ふたりの対決から目が離せません。100kg級では、現在、国士舘大学1年生の飯田健太郎選手(19)に勢いを感じます。アンコ型が多い階級では珍しく長身のイケメン選手。外国人選手にも引けを取りません。今年2月の国際大会では、リオ五輪のメダリストを破って初優勝。まだ成長過程でもあり、これからが楽しみな選手です」
女子重量級の朝比奈沙羅(20)の成長には、岩佐編集長も関心を寄せているという。
「現在、東海大学3年生の朝比奈選手は、2月の国際大会『グランドスラム・パリ』で、リオ五輪金メダリストを倒し、決勝では日本の第一人者でリオ五輪銅メダリストの山部佳苗選手も破って初優勝しました。将来は、医師になるために医学部受験を考えている彼女ですが、今は東京五輪のことで頭がいっぱいでしょう」