未経験だった相撲でいきなり全国大会へ。 画像を見る

「もっと人気が出てくれたらいいなと思います。たとえば遠藤さんとか炎鵬さんとかみたいに。記事ではまあ……あの2人にも負けないくらいの『男前力士』ということにしておいてください(笑)」と語るのは、徳勝龍(33)の母・青木えみ子さん(57)だ。

 

大相撲初場所で、「幕尻」から奇跡の優勝を果たした徳勝龍。33歳5カ月での初優勝は、日本人力士としては最年長。幕尻からの優勝は、実に20年ぶりだ。

 

いっぽうで「優しい力士」としても知られている徳勝龍。付け人にも思いやりを持ち、食事会では自ら彼らを紹介して回るほど。上下関係の厳しい角界では珍しいエピソードだ。そんな性格は母・えみ子さんの、ときに“スパルタ”な教育によって育まれたという。

 

「あの子が年上の男の子とけんかをしたとき、私は『やられたらやり返せ。絶対に負けるな』と言って聞かせました。ただし、それは自分より強い相手にだけ。年下の子や体の小さい子とけんかをしてきたときは、一緒に謝りに行きました。そして『気がすむまで、この子を殴って』と言っていました。強い子に向かっていくのはいいけど、弱いものいじめは絶対にダメ。それを徹底して言い聞かせていました。そして間違ったことをしたときは、親である私が深々と謝罪する。その姿を見せることで、『お母さんがここまでするほど悪いことをしたんだ』と理解してくれるようになってきました」

 

近畿大学時代には、今場所中の1月18日に55歳でこの世を去った伊東勝人監督との出会いもあった。徳勝龍は優勝インタビューで「監督が見ていてくれたんじゃなくて、いっしょに土俵で戦ってくれていたような。そんな気がします」と涙ながらに語っていた。そんな監督にも、彼は気遣いを見せていたという。

 

「いつも息子のことをかわいがってくれて、よく『一緒にトランプやらないか』と言って誘ってくれたそうです。徳勝龍の『勝』の字も、監督の名前である『勝人』からいただいたんですよ。息子は、監督のことが大好きでした。あの子は監督に、指導するときの座布団をプレゼントしたそうですが、監督はそれを大事に使ってくれていたそうです……」

 

「女性自身」2020年2月18日号 掲載

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