■「BTSはフィギュアに取り入れやすい」
「ダンスがキレッキレだったんです。本人は『ダンスの上手な人のマネをした』と言っていて。今回の記事を見て納得しました」
記事中で羽生はこう続けている。
《ダンスを習ったり、ヒップホップを習ったりはしていないので、基礎が何もないのですが、少しでも勉強したいと思って(『Dynamite』を)練習しました》[※( )内は本誌注]
前述のとおり“特にショートプログラムのために”練習したようだが、実際、羽生の演技にどう生かされているのだろうか。
「羽生選手のショートプログラム(’20-’21シーズンの『Let Me Entertain You』)は、競技には珍しい感じの、まるでライブステージを見ているかのようなロックでしたからね。実際に羽生選手は口ずさみながら踊っていましたし、『Dynamite』の振付や雰囲気は参考になったのではないでしょうか」
そう分析してくれたのは、プロフィギュアスケーターの澤山璃奈さんだ。澤山さんも、自身のYouTubeチャンネルで『Dynamite』を氷上で踊っている。
「『Dynamite』は激しいダンスが多いBTSの曲のなかでは緩いほうだと思うのですが、実際に踊ってみると、その緩さをかっこよく見せるのが難しいんです。
ただ羽生選手にはかなり合っている振付だと思います。この曲はマイケル・ジャクソンへのオマージュで、ダンスにも彼の特徴的な振りがたくさん入っているんですが、マイケルとBTS、羽生選手に共通するのが、スターの風格や余裕、そして手足が長く細身なこと。『Dynamite』はそういう体形に合う振付です。それに手の振りや胸の動きなど、主に上半身で見せるダンス。スケートで滑りながらできる動きが多いので取り入れやすいと思います」
羽生は、BTSの別の曲の習得も目指しているとも明かしている。
《『Dynamite』が踊れるようになって、『ほかにもかっこいいものはないかな』と思って見つけたのが『DNA』で、まだ踊れないのですが、踊れるようになりたいなと思っています》