7月28日、日本から出国した大坂なおみ(23)。まさかこれほど早く日本を発つことを予想していなかったのだろう。その日、メガネをかけた彼女の顔に笑顔はなかったという。
開会式では最終聖火ランナーも務めた彼女だが、前日27日の3回戦でまさかの敗退……。会見後には、コーチが肩をポンポンとたたき、彼女を慰めていた。
ピンクのドレッドヘアと赤を基調としたウエアで東京五輪に臨んでいた大坂。出国日にもNBA各チームのロゴをあしらったド派手なアウターを着用していた。
彼女は5月31日に、うつで苦しんできたことを公表している。立教大学教授で精神科医の香山リカさんは彼女の精神状態についてこう語った。
「3回戦で敗退した後の会見では、自信が感じられない様子が印象的でした。プライドの高い彼女らしくないコメントが多かったように思います。うつの方のなかにはあえて髪を派手にしたり、カラフルな服を着る人もいます。自分の暗い気持ちを、何とか奮い立たせようとしているのです。医師やスタイリストのアドバイスもあるかもしれませんが、大坂選手が試合のとき、赤いウエアを着用していたのも、自分で自分を鼓舞しようとしていたからではないでしょうか。
ただ逆に言えば、最低の精神状況であれば、刺激の強い色の服を受け入れることも難しいです。そういう意味では、出国の際のアウターも大坂選手が回復に向かっているサインだと思います」
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