「現行ルールで300点超えを達成しているのが羽生とネイサンだけなので、この2人の頂上決戦になるというのが基本の見方です。ただ、ネイサンが保持している世界最高得点は335点。羽生は4A(4回転アクセル)を含むすべての要素でパーフェクトな演技ができて、ようやく330点台に乗るかどうかの厳しい戦いになるでしょう。しかし、全日本で見せた鬼気迫る圧倒的な滑りを見ると、五輪でのパフォーマンスが一層楽しみになりましたね」
そう話すのは、元フィギュアスケート選手で解説者の佐野稔さん。
昨年の東京五輪からわずか半年、冬の北京を舞台にアスリートたちの激闘が始まる。北京冬季五輪でなんといっても注目なのは、フィギュアスケート男子。そこで、男子フィギュアのメダル争いを佐野さんが大予想!
【宇野昌磨(24)】前回は銀。今回は金に期待膨らむ!
「引退を考えるほどどん底に落ちたシーズンを経て、ひと回りもふた回りも大きく成長しました。常に前を向く姿勢が感じられるし、調子もいい。ジャンプの変更などの取りこぼしさえなければ、優勝の可能性も高いはず」(佐野稔さん・以下同)
【鍵山優真(18)】急成長のホープもメダル圏内!?
「GPシリーズイタリア大会での、SP7位からまさかの大逆転優勝は実に素晴らしかった。シニアに転向したての昨年は演技にあどけなさもありましたが、今や堂々たる滑りです。強い精神力でメダルも狙えるのでは」
【ネイサン・チェン(22)】もっとも金に近い男
「ジャンプの種類に、滑り、演技、実績と、どれを取っても一番の選手。平昌5位以降の無敗記録は10月のスケートアメリカで破られましたが、調子が悪いわけではありません。五輪に向けてイェール大学を休学し、気合も十分!」
【羽生結弦(27)】ノーミスパーフェクト演技で大復活3連覇へ!
「全日本は今季初戦で世界中から注目が集まるなか、あっと驚く演技を見せました。残念ながら4Aは回転不足となりましたが、五輪でこそ前人未到の成功が見たい。金メダルもその先にあるはずです」
男子フィギュアでは94年ぶりという3連覇がかかる羽生。金の前には高い壁がそびえ立つが、“負けず嫌い”のゆづパワーで、4A着氷&3連覇を勝ち取ってほしい。