■モラハラ夫には、社会的に成功している人も少なくない
岡野さんによると、夫から妻へのモラハラは大きく2種類に分けられるという。
「一つは、悪意をもって妻を虐げる場合。これは、たとえば愛人ができてすぐにでも妻と離婚したいなどの理由があって、妻から『もう無理』と言ってほしくてそう仕向けるので非常に悪質です。
もう一つは、妻に不満があるときに、本来なら言葉で説明して歩み寄って解決するところを『お前が気づけよ』『お前が直せよ』と見せしめ的にモラハラに走る場合。このケースの場合、夫に悪気はなく、モラハラのつもりでないことが多いのです」
後者の場合、悪気はない一方で、妻を大切に思ってもいないという。
「大切に思っていれば、お互いの間に問題が生じても歩み寄って建設的な関係を築けます。でも、モラハラ男性は『俺のことが嫌ならそれでいいよ』という考え方。
モラハラ夫のなかには、金銭的に裕福な人、社会的に成功している人、女性にモテる人も少なくありません。そういう人は『お前なんかいなくなっても次が来る』という自信があるから、釣った魚に餌はやらない。妻を雑に扱うのです。ちやほやされすぎる有名人や、親から大切に大切に育てられてなんでも思い通りになってきた世間知らずな人にも、その気があることが少なくないように思います」
また、モラハラ夫は外面がいい、とも。
「モラハラする人って、外では人当たりがいいんです。これは、ほぼみんなと言っていいくらいですね。外で気を使って、家で発散するんです。お店などでは店員さんに横柄な態度を取ることもありますが、基本的に目上の人や仕事相手などはとても大事にします。でもどうでもいい人にはぞんざい。妻もどうでもいい人になってしまっているということです」
内村の場合は華々しい引退会見の数日後のモラハラ報道だったが、外で立派な偉業を成し遂げていたとしても、家族にも立派にふるまえるとは限らないのだ。