■「天心選手というライバルがいたから、その相手に勝つまでは誰にも負けられない」
ーー武尊選手のYouTubeで、天心選手の存在を恨んだこともあったと発言されていましたが、その理由を教えてください。
「恨んだというのも、試合ができればそんなことはなかったんです。試合をやっていないのに比べられたり、むこうは地上波のゴールデンで言いたいことを言っていたのに僕は言えなくて。試合ができないのに言いたい放題言われて、“逃げてる”とか“武尊の方が弱い”とか言われたり。試合をしていたら何を言われても構わないんですが、できていない間、ずっと言われ続けて悔しかったし、天心選手がいなければもっと良い格闘家人生だったかなと思っていた時期もありました。
ただ、先ほども言いましたが、それがあったから今も格闘家でいられているし、まだ戦っていない天心選手というライバルがいたから、その相手に勝つまでは誰にも負けられないという気持ちが強くなり、20歳で負けて、それから勝ち続けてこられたのだと思います」
ーー那須川選手について、尊敬しているところはありますか?
「試合をやる前は“尊敬”という感情はないんですけれど、技術やスピードもそうだし、格闘技スキルの高さは天才的なところはすごいなと思います。あとは、小さい頃から積み上げてきたものもあると思うし、それはやっぱりすごいところだなと純粋に思いますね。」
ーー那須川選手のYouTubeを見ることはありますか。
「見ないですね。試合映像以外のYouTubeは一切見ないです。言葉って言霊ですし、ネガティブな言葉を聞くとマイナスのパワーが働くので、YouTubeなどのネットは基本見ないです。デビューしたての頃や3階級制覇する前は“こんな意見もあるんだ”と見たこともありますが、精神衛生上良くないし、試合にも影響すると思って全く見なくなりました」
ーー那須川選手の対策について、具体的に何をされていますか。
「ボクシングのトレーニングを増やしました。今日も亀田和毅君に来てもらったり、別のボクシングのトレーナーが来てくれたり。和氣慎吾さんや井上尚弥さんのところにも行って、色々な選手からキックの試合でも使えそうな技術を取り入れているところです」