開幕からセ・リーグの下位に沈んでいる就任2年目の中日・立浪和義監督(53)が不可解な戦力補強に走り、周囲からひんしゅくを買っている。
今年3月開催のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)パナマ代表で米メジャーリーグ・メッツ3Aのウンベルト・メヒア投手(26)を獲得すると、球団が5月24日に発表した。メヒアはWBCで中継ぎとして登板しており、150キロ台の直球が武器。チーム合流後は、大野雄大投手(34)の戦線離脱で空き枠のある先発での起用が考えられている。
中日は今年、助っ人外国人選手5人態勢でスタートした。ところが現在1軍に在籍するのは抑えを任されているライデル・マルティネス投手(26)、5月23日に再昇格したダヤン・ビシエド内野手(34)の2人だけ。
勝ちパターンの8回を任される予定だったジャリエル・ロドリゲス投手(26)はWBC参加後に来日せず、キューバから亡命。メジャリーグ入りを目指し、現場に混乱をきたした。
さらに攻撃陣の核として新たに獲ったソイロ・アルモンテ外野手(33)、アリスティデス・アキーノ外野手(29)、オルランド・カリステ内野手(31)の3人は不振のため、現在はファームで調整を余儀なくされている。
「かつてない円安が進んだ結果、昔のように優良な助っ人外国人選手を手頃な年俸で獲るのはかなり難しくなった。どの球団も助っ人なしではなかなかチーム編成が難しいので獲得こそしますが、4番やエースに据える傾向は年々少なくなっているといっても過言ではない。いっぽうで中日球団はミスタードラゴンズである立浪監督の顔に泥を塗るわけにはいかないと、今さらながら戦力補強に必死です」(球団OB)
だがしかし、現場から聞こえてくるのは歓迎の声よりも「いったい、どこを補強しているのか」と疑問視する声が圧倒的だという。
「5月21日の時点でチームの借金は立浪政権ではワーストタイの14まで膨れて、一歩間違えればシーズン途中休養も検討される危険水域にあった。足りていないのは明らかに攻撃力で、新助っ人獲得にようやくテコ入れが始まったかと思いきや投手ですからね(笑)。関係者の間でも『パナマの助っ人といえばズレータ(元ソフトバンク)、セギノール(元日本ハム、オリックス)など強打者じゃないのか!』と首をかしげる者が続出しています」
プロでの指導経験が豊富な球界OBからは「ピッチャーはいくらいてもいいが、まず中日がやらなければいけないのは貧打のテコ入れとホームランテラスの設置。資金力が乏しいのなら、中部地方の財界関係者の協力を得て新たなオーナー企業を探すところまで来ている」と辛辣な意見も飛び出す。
立浪ドラゴンズは果たしてどうなってしまうのだろうか。