先日、結婚を発表したドジャースの大谷翔平選手(29)。当初は妻について、「一般の人」と表現し詳細は明かしていなかったが、2月29日にInstagramを更新し、妻とみられる女性の顔写真を公開。さらに球団側も米メディアの取材に対し、写真に写っている女性が妻で、元バスケットボール選手の田中真美子さんであることを明かした。
近年有名人と一般人が結婚した場合、「お相手は一般人なので詳細は控える」といった表現で詳細を語らないというケースも多い。そんな中で異例とも言える大谷選手の自発的な発信は、多くの人を驚かせている。そのうえ、今回の結婚に対する世間の反応は、絶賛の声ばかり。大谷も真美子さんも結婚を通して好感度がさらに高まっている。
彼の人気は言わずもがなだが、ここまでの“フィーバー”を起こし、結婚さえも人気上昇につながるのには、なにか理由があるのか。コラムニストのおおしまりえさんに考察してもらうと、「野球にひたむきで誠実な振る舞いありきだが、結婚に関して自発的に情報発信をしたことにポイントがあると思う」と話す。詳しく聞いた。
■「バレる前にバラす!」自発的な発言でイメージや情報を守る
結婚や奥様の情報をマスコミよりも先に発信したことは、彼の上手さを感じました。
大谷選手ほどの大物が結婚したとあれば、当然各種メディアは妻の正体などを探ることになるのは当然です。普通に考えたら詳細を隠し通すのは困難であり、また隠した結果、憶測や不明確な情報が世間に出てしまい、良くない影響がもたらされる可能性もあります。
こうした状況を予測したかは定かではありませんが、「バレるよりバラす」という判断は、正しい情報やポジティブな印象を正確に伝えることができ、今の情報社会においてはメリットが大きいように感じます。
彼の対応力を見ていると、どうしても思い出してしまうのが、フィギュアスケート選手の羽生結弦さん(29)です。彼は2023年8月に一般人女性と結婚を発表後、3カ月後にスピード離婚しています。
羽生さんは、離婚理由についてマスコミからの取材や誹謗中傷、ストーカー行為が続き、婚姻生活の継続が難しくなったからだと説明しています。ファン層や活動内容が異なるため純粋に大谷選手と比較はできないものの、スターが一般人と結婚したのであれば、その情報がどのように伝わり、ファンやマスコミ含めどういったリアクションが起きるかは、ある程度予想して対応を計画しておくのが正解というのが、今回改めてわかったように思います。
■“らしさ”を意識した発表が彼の好感度を更に高める
今回の結婚発表やその後の情報発信についても、一貫して「大谷らしさ」があった点も、好感度アップにつながっているように思います。
具体的には、妻とのツーショットはスポーツウェアでラフな普段着であること。あくまでも選手活動の一貫として発表していること。浮かれている姿を見せないことなどです。
余談ですが、お相手が元プロバスケットボール選手であることが判明した際、SNSでは「大谷選手の結婚相手が女子アナじゃなくてよかった」といったコメントが多数投稿されたようです。
余計なお世話ではありますが、一昔前は「野球選手といえば女子アナと結婚」がよくあるパターンでした。そうしたフォーマットに当てはまらない姿も、彼らしさが発揮されていて、見る側として安心感があったのかもしれません。
今回の話は、前提として、大谷さんの野球選手としての高い能力や積み重ねてきた人間性の高さが、良いイメージに繋がっています。そもそも結婚1つ取ってそれが崩れるとは考えにくいものの、それでも今回の結婚フィーバーは異常とも言えますし、今回の対応により、彼の好感度はさらに高まったように思います。
現在開幕を控え、今季のパフォーマンスにさらなる注目が集まっている大谷選手。今年はどんな活躍を見せてくれるのか、楽しみでなりません。
(文:おおしまりえ)