ドジャースの大谷翔平(29)が新天地でシーズン開幕を迎え、約2カ月が経過。この間には元通訳・水原一平容疑者(39)による“裏切り”が発覚し、波瀾万丈な幕開となった。だが、現在までにリーグ2位となる13本塁打を記録するなど、アクシデントを跳ね返すような活躍を見せている。
また試合中にチームメイトと楽しげに交流する姿も、たびたびネットで話題に。水原容疑者の銀行詐欺事件が取り沙汰されるなか、自らのInstagramで愛犬・デコピンの写真をアップするなどポジティブな一面も垣間見せていた。
そんな大谷は5月9日(日本時間)にも、Instagramのストーリーズで贈り物と思しき南部鉄瓶と夫婦湯呑みの写真をアップ。どちらもドジャーブルーを彷彿とさせる色合いの製品で、Xでは《なんてセンスのよい素敵な贈り物》《キレイな色合い》と感嘆の声が相次いだ。
南部鉄瓶は大谷の故郷・岩手県にある南部鉄器工房「及富(おいとみ)」で作られた製品だと判明し、注文や問い合わせが殺到するなど反響を呼んだという。
そんななか、もう一方の夫婦湯呑みについても知ることができた。
きっかけは9日(日本時間)に本拠地ドジャー・スタジアムでマーリンズ戦が開催された際、大谷の妻・真美子夫人も観戦しに来ていたこと。この日は偶然にも、大谷がInstagramで南部鉄瓶と夫婦湯呑みを紹介した日だった。
スイートルームの観戦席で、真美子夫人がのし紙のかかった箱を両手で持つ姿を現地カメラが捉えていたのだ。さらに真美子夫人の目の前には、「柿傳」と漢字で書かれた白い紙袋も置かれていた。
そこで本誌は漢字を頼りに、東京・新宿で陶磁器を中心に展示・販売を行う「柿傳ギャラリー」を取材。すると店主・安田尚史さんに話を聞くことができ、大谷夫妻の元に届けられた夫婦湯呑みは、同ギャラリーで取り扱われていた作品だと判明したのだ。
大谷がInstagramで披露した夫婦湯呑みは、それぞれ青と白を基調としたグラデーションが素敵な一品。また表面には糸が織りなすような、立体感のある繊細な模様も施されていた。
安田さんによれば、この作品を製作したのは石川県在住の人気作家・澤谷由子さんとのこと。泥漿(でいしょう)などを絞り出して模様を描く、「イッチン技法」の磁器作品だという。
また当初は、真美子夫人が同ギャラリーの紙袋を持っていたことは把握していなかったという安田さん。本誌が取材を申し込んだことをきっかけに知ったといい、「大谷選手がInstagramで紹介されていた夫婦湯呑みは、たしかに当ギャラリーからご依頼主さまにお譲りした作品でございます」と教えてくれた。
なお作品の取り扱い時期や価格などは、購入者の個人情報に触れるため教えてもらうことはできなかった。だが夫婦湯呑みが大谷夫妻の元に届けられたことは、安田さんも大喜びの様子だった。
「私は大谷選手の大ファンですので、本当に嬉しく思いました。泣けたといいますか……。大谷選手がアップした夫婦湯呑みの写真を目にした瞬間、驚いてしまって、本当に涙が止まらなかったですね。大変ありがたいと感じております。
ただ、私どもはギャラリーという立場ですので、作品を作られた澤谷さまが素晴らしいのだと思います。私どもはお取り扱いをさせて頂いた、いわば“黒子”ですので、今回の件はホームページやSNSでは一切発信しておりません」
今回の出来事をきっかけに注目を集めそうだが、同ギャラリーではどのような作品がギフトに選ばれているのだろうか?
「当ギャラリーでは、焼き物を中心に扱っております。ギフトとしてよく選ばれているのは、今回取り上げていただいたお湯呑みやお皿、ぐい呑み、他には花入れなど人気がございます。
日本中の様々な工芸作家さまの展覧会を月に3回、6日間ほどの会期で催しております。夫婦湯呑みを作られた澤谷由子さまも、これまでに何度もお世話になった作家さまでございます」
ドジャーブルーとリンクした大谷効果は、日本を元気にしてくれそうだ。