大谷翔平 実父が監督の少年野球チームが存続危機…来日中に対面で「託したもの」
画像を見る 金ケ崎リトルシニアが掲げた大谷を応援する横断幕

 

■子供たちを日本一に――父子共通の願い

 

父子水入らずで、どんな話をしていたのだろうか。大谷家の知人はこう語る。

 

「トヨタ自動車東日本の監督に就任した徹さんの長男で、翔平くんの兄・龍太くんが今月8日に監督として初勝利をあげました。徹さんはかねて“長男には野球をあまり教えられなかった”と悔いていましたから、感激もひとしお。翔平くんも指導者となった兄の晴れの門出を徹さんとともに喜んでいたことでしょう。

 

龍太くんは社会人、そして徹さんは地元の中学生を指導しています。翔平くんは本当に野球好きで、野球人口が徐々に減っている現状を憂えていました。野球の未来のため、地元の子供たちのため、“父の力になりたい”と話したのではないでしょうか。徹さんのチームのため、バットやユニホームなどにサインをしたり、部員募集のため何か自分がやれることがあれば、できる限り協力しているはずです」

 

大谷が徹さんに託した“魂のバット”は、多くの子供たちを引きつけることだろう。前出のスポーツ紙記者も言う。

 

「大谷選手が高校生時代につづった『人生設計シート』には、メジャー入団、WBC日本代表、結婚、ワールドシリーズ制覇など、多少の時期のズレこそあれ、その多くがすでに実現されています。

 

そんな大谷選手の未来の人生設計には、徹さんと同じく“アラ還”となった彼の姿も。そこには《57歳・プロ野球界から引退》、《58歳・岩手に帰ってくる》、《59歳・リトルリーグの監督になる》と記されていました。そして《61歳・リトルリーグで日本一になる》とまで――。地元の子供たちに一人でも多く野球の楽しさを伝えたい思いは父子で共通する願いなのです」

 

前出のテレビ局関係者は言う。

 

「初戦終了後、大谷選手は米国メディアのインタビューに『日本独特の雰囲気というか、これだけお客さんが入ってくれることもそうですし、“打たなければいけない”みたいな雰囲気はありました。何とかヒットを打ててよかったです』と正直に答えていました。

 

“東京シリーズ”で珍しく緊張していたのは、岩手から観戦に来た徹さんのチーム、そして地元の子供たちのため――という意識が強かったからではないでしょうか」

 

大谷は開幕初戦、米国「CBSスポーツ」のインタビューでこうも語っていた。

 

「野球をする子供たちが『大谷翔平のようになりたい』と言ってくれることは、本当に大きな意味がある。子供たちを失望させないようにしなければならないという強い責任を感じている」

 

日本の野球の未来へつながる、東京ドームでのホームラン――。大谷の“魂のバット”は父子2代の夢を広げる。

 

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