「打たれても仕方がないかなというか、割り切って、自分から自滅せずにゾーンで行って。それだけかなと思います」
10月7日(日本時間)、ペンシルベニア州フィラデルフィアでナ・リーグ地区シリーズ(5回戦制)第2戦が行われ、ドジャースがフィリーズに連勝。試合後の会見で、2戦連続でセーブを挙げた佐々木朗希選手(23)はこう語って笑顔を見せた。
「敵地での試合でしたので、ドジャースの選手たちへヤジが飛び交ったのですが、佐々木投手は『英語がわからないから何言っているかわからない。そこらへんは気にせず投げられました』とも話していました。抑えにふさわしい“強心臓”ぶりでしたね」(スポーツ紙記者)
今季、肝いりでドジャース入りした佐々木だったが、故障者リストに入るなど、ポストシーズン前までの成績は10登板で1勝1敗、防御率4.46と決して芳しくなかった。『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2025』著者でスポーツライターの友成那智さんは言う。
「佐々木選手はロッテ在籍時代から、選手会に入らなかったり、ちょっと特殊なところがあり、言い訳ばかり言っているように映ることもありました。ドジャースに入った当初も浮いた感じがありましたね。神経質なところがあり、少々悪い投球すると涙してしまうというか、顔がこわばってしまって、感情を抑えられないところがあったんです。
また、メジャーリーグでは投手交代のときに監督にボールを手渡すのが流儀で、それをしないとペナルティーが課せられます。佐々木選手は1度、交代を告げに来たロバーツ監督にボールを渡さないで勝手にマウンドを降りて、ボールをベンチの方に投げたことがありました」
ところが、ポストシーズンでは守護神として大活躍を見せている。その背景には、先輩である大谷翔平選手(31)の奔走があったと友成さんは言う。
「ワイルドカードシリーズでは、大谷選手、山本由伸選手、佐々木選手はモノトーンの私服でスタジアムに来ていました。話し合って決めたんでしょうか。仲の良さを感じますね。
地区優勝を決めた時、大谷選手は山本選手と佐々木選手と今季入団したキム・ヘソン選手の4ショットをインスタに上げていました。また、シャンパンファイトで大谷選手は山本選手と掛け合ったあとに佐々木選手の首をつかまえて、背中にシャンパンを流し込んでいましたね。微笑ましい光景でした。大谷選手が佐々木選手のことをずっと気にかけていることがよくわかります」
