「自分の踊りにこだわってやってきてよかったです。遠回りしたかもしれないけれど、間違ってなかったと思っています。若いころはとがっていて周りと衝突したりしましたが、(堂本)光一くんや(櫻井)翔くんが、僕の背中を押してくれました」
こう話すのは、ジャニーズ屈指のダンスパフォーマーと名高い屋良朝幸(34)。現在、グループには属さず、ミュージカルなどの舞台を中心に得意のダンスで観客を引きつけている彼だが、10代のころは、アイドルとしての王道の踊りに違和感を持ち、当時はあまり知られていなかったアンダーグラウンドなダンスに没頭していったという。
「番組のダンスナンバーを踊るときに、『自分たちの振付は自分でやります』と生意気に宣言したりしていました。そこに賛同してくれたのが、翔くん。Jr.時代は翔くんと“シンメ(左右対称の位置で踊るコンビ)”でよく踊っていて、踊りのテイストがすごく合っていたし、僕が踊りに目覚めた中3のころ、隣にいてくれた人です」
先輩たちのバックで踊りながら、リスペクトするダンサーTETSUHARUのダンスレッスンにも通い、踊りを極めた屋良には、その後“振付師”という肩書もできた。
「光一くんから、ソロ曲『SHAKE』のオファーをもらい、’06年に“振付”というお仕事にも出会いました。お仕事でも、プライベートでも面倒見ていただいていて、とても愛情あふれる方。先輩・後輩の垣根も取り払って接してくれます」
’08年には、嵐のシングル曲『One Love』の振付も担当。
「嵐のメンバーとは、Jr.時代からの長い付き合い。細かい振付をつけると『こんなのできないよ』と文句を言われたりしたけど、ちゃんと仕上げてくるのはさすがだな、と思いました。翔くんのソロ曲を振り付けたときはすごく感動してくれたし、久しぶりに一緒に並んで踊ったときは懐かしいな、としみじみ感じました。うちの事務所はチームみたいな関係性ですよね。今年は事務所の大先輩・佐野(瑞樹)くんの舞台の振付もやらせていただきました。『俺、踊らないよ』と拒否していたのに、誰よりも練習に励んでくれて、『踊りって楽しいね』と言ってくれたのがすごくうれしかった。こんなに達成感があるなら、自分の持ってるもの全部教えてあげたい、って思います」
公演中の主演舞台『THE CIRCUS!』では、踊りの師匠であるTETSUHARU演出のもと、屋良が理想とするオリジナルミュージカルを熱演中。
「自分らしさがいちばん出せる舞台。ずっとやりたかったものです。ジャンルにとらわれない、新しいエンタテインメントをぜひ楽しんでください」