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(写真・神奈川新聞社)

近年、サイクリング愛好者が多く訪れる清川村最大の観光地・宮ケ瀬湖で自転車の事故が増えている。2016年度は「自転車交通事故多発地域」に初めて指定された。増加する愛好者に対し5月下旬には湖畔に専用の誘客施設「自転車の駅」も完成しており、現地では関係者がマナーアップなど安全運転を呼び掛けている。

自転車交通事故多発地域は、人身事故に自転車が関係するものが占める割合が県平均を上回った市区町村を県が指定。村内で15年に発生した15件の人身事故のうち、自転車が関わったのは4件。割合は県平均の21%に対して26%に上昇。ちなみに14年の自転車事故は1件のみだった。

村を管轄する厚木署によると、15年の自転車関連事故は▽3月22日、煤ケ谷の県道で伊勢原市内の男性(54)が車と接触▽5月8日、煤ケ谷の県道で平塚市の男性(39)が右折車と衝突▽5月17日、宮ケ瀬の県道で東京都世田谷区の男性(37)が車と正面衝突▽8月14日、宮ケ瀬の県道で京都市の男性(31)がバイクと正面衝突。

いずれのケースも運転者はヘルメットを着用しており、軽傷で済んだ。4人は村外在住者だったことからサイクリングで訪れ、事故に遭ったとみられる。

同署交通課は「安全確認が不十分だった」などと原因を分析。スポーツタイプの自転車がかなりスピードを出している姿も散見されることから、5月28日に津久井署と合同で宮ケ瀬湖周辺を走行する自転車利用者を対象とした事故防止キャンペーンを初めて現地で実施、チラシを配布した。

宮ケ瀬湖に通じる村内の県道は片側1車線。急勾配でカーブが連続する区間や、集落内でセンターラインもない狭い箇所もある。村は「湖畔を自転車で風を切って走るには気持ちのよい季節になったが、事故のないよう安全運転を心掛けてほしい」と訴え、マナーアップを呼び掛けるのぼり旗を設置した。

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