(写真・神奈川新聞社)
小児がんから回復した横浜市の小学生が23日、同じ病気の子どものためにレモネードを売って寄付を募るイベントを開く。「病気の子どもを助けたい」と懸命に準備を進めている。
「子どもレモネードスタンド」を企画したのは、市立平沼小学校3年の栄島四郎さん(9)=同市西区。四郎さんは、3歳の時に脳腫瘍だと分かった。複数の病院を受診し、専門医を探して4歳の時に手術を受けた。抗がん剤治療なども経験し、現在も通院を続けている。
レモネードスタンドのことは、母親の佳子さん(45)が昨年春に買った絵本「ちっちゃなアレックスと夢のレモネード屋さん」で知った。小児がんを患った米国の少女がレモネードを売り、病気の子どものために募金を集める物語を読み、すぐに「お金をためて病院に寄付したい」と決意した。
たくさんの人に来てもらおうと、レモンのキャラクターや「1ぱい50円 プラスお気持ち大かんげい!」と手書きしたチラシを作成。近所の病院や店舗などに、張り出しを頼みに行った。会場で読んでもらうため、四郎さんの闘病経験や同じ病気の子どもたち、家族らの言葉をまとめた手作りの冊子も用意した。
イベントのもう一つの目的は、小児がんに対する理解を深めてもらうことだ。
病院で四郎さんと一緒に病気と闘ったが、亡くなった友達もいる。治療を受けて、体が思うように動かせなくなったり、表情が変わってしまったりすることもある。
佳子さんは「生きるために過酷な道を選ぶこともある。退院したら終わりではなく、長く付き合う病気だということを知ってほしい」と願っている。
当日は、ホットとアイスのレモネード計100杯を用意。1杯50円で、売り切れ次第終了する。売り上げは、レモネードスタンドジャパンに寄付され、小児がん治療研究などに使われる予定だ。四郎さんは「集まったお金は、今は治療法がない病気の薬をつくるために使ってもらいたい」と期待している。
子どもレモネードスタンドは、横浜駅西口そばの桁下ふれあい広場で、23日午前11時から午後5時まで。問い合わせは、栄島さんのメール info@pax-aozora.com 。