(写真・神奈川新聞社)
岡本太郎が描いたダイナミックな文字を集めた企画展「岡本太郎と遊ぶ」が、川崎市岡本太郎美術館(同市多摩区枡形)で開かれている。字と絵の表現はもともと同じものと考えていた太郎が自由な感性で表現したさまざまな「遊ぶ字」を紹介。同館は「芸術の創造につながる遊びを親子で体験できる」と来場を呼び掛けている。
「遊ぶ字」の原画30点を一堂に展示した。1980年に公開制作した「挑む」をはじめ、「驚」「心」「楽」「馬」「遊」「夏」「母」「風」「海」「愛」などの文字が躍る。「字は絵だろ」「無心に字を書いていると自然と絵になってしまう」との太郎の言葉も紹介されている。
「湯」と大きく書かれた長野県・野沢温泉のポスター(83年)、「高津」の文字が中央にあしらわれた川崎市の第15回高津区民祭のポスター(88年)など貴重な作品も展示。
畳に座って「夢」と書かれたびょうぶ作品を鑑賞できる部屋や、「遊ぶ字」のイメージに近いにおいを探すコーナー、「遊ぶ字」に色を付け自分なりの文字を描くなど趣向を凝らした体験コーナーもある。
ブロンズ作品「梵鐘(ぼんしょう)・歓喜」を、木づちで実際にたたく遊びも体験できる。油彩「母と子」では、スケッチを何枚も積み重ねた下絵を描き、大きな作品に仕上げた太郎の試行錯誤の過程を解説している。
関連イベント「においで遊ぶ」(6日)、「爆発的な詩と漫画に挑戦」(11日)、「太郎と遊ぶ」(13日、9月10日)、「仮面で遊ぶ」(同3日)、「ことばで遊ぶ+トーク」(10月1日)などが行われる。
企画展は10月15日まで。観覧料は一般900円、高校・大学生・65歳以上は700円、中学生以下は無料。問い合わせは、同館・電話044(900)9898。
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