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(写真・神奈川新聞社)

 

太平洋戦争末期、旧日本海軍の連合艦隊司令部が置かれた慶応大日吉キャンパス(横浜市港北区)の地下壕(ごう)を紹介するパネル展が同区の市港北図書館で開かれている。主催者は「戦争遺跡を多くの人に知ってほしい」と話し、会期中には展示解説もある。

 

1944年以降に掘られた地下壕の総延長は5キロ以上とされ、現在は連合艦隊総司令部の約500メートルが見学可能。パネル展を共催する日吉台地下壕保存の会の佐藤宗達さん(68)=瀬谷区=は「あまり知られていない地下壕の存在を知って、現地の見学会にも来てほしい」と来場を呼び掛ける。

 

パネルは約40枚で、地下壕内部や同会の活動を紹介している。キャンパス周辺に計4カ所ある日吉台地下壕の配置図ほか、見学会のパネルなどが並ぶ。地下壕中心部に造られた電信室の写真には「約30台の短波受信機が備えられ、100人を超える隊員が交代で受信に当たっていた」といった説明もある。

 

34年に誕生した同キャンパスの戦時下の歴史なども紹介。軍事教練で行進する学生や陸上競技場で行われた報国隊結成式の写真もある。

 

同会は月2回、定例見学会を実施するほか、ガイド養成講座を開催。副会長の亀岡敦子さん(70)=港北区=は「戦争と平和の問題を考えることができる貴重な戦争遺跡。戦争体験者が減る中、埋もれそうな歴史を掘り起こし、伝え続けていきたい」と話す。

 

27日まで。同日午後2~4時には佐藤さんらが随時、パネル写真の解説をする。申し込み不要。21日は休館。問い合わせは、同図書館・電話045(421)1211。

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