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(写真・神奈川新聞)

 

広島、長崎の被爆者らとともに核廃絶を訴える非政府組織(NGO)ピースボートの「オセアニア一周クルーズ」の客船が8日、横浜港を出航した。ノーベル平和賞を昨年受賞したNGO核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)と協力し、オーストラリアで核兵器禁止条約への批准を求めるイベントを展開する。

ピースボートは横浜港大さん橋国際客船ターミナル(横浜市中区)で会見を開き、被爆者らが登壇。13歳の時、長崎市内で被爆した田中熙巳(てるみ)さん(85)=日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員=は「草の根運動は私たちにとって一番大事。現地でいろんな人と会えることを楽しみにしている」と語った。

 

日本被団協事務局長を昨年6月に引退し、個人の立場で初めて乗船する。「これまでピースボートに乗りたいと思っていた。核廃絶の機運が高まる今、被爆者の声を命ある限り世界の人々に届けたい」と話した。

 

1歳の時に広島で被爆した杉野信子さん(73)は「ノーベル平和賞の受賞後に機運がしぼんでしまわないように、できることがあれば頑張りたい」と力を込めた。

 

ICANの国際運営委員を務めるピースボート共同代表の川崎哲さんは「ICANに授与されたノーベル平和賞を生かすために、今年は何としても核兵器禁止条約を発効させたい。そのためには、各地の人々がそれぞれの政府に条約を批准するように働き掛けることが重要だ」と強調した。

 

ピースボートがチャーターした客船「オーシャンドリーム」(3万5265トン)はオーストラリア5都市を24日から2月6日まで巡り、市民向けイベントや記者会見などを予定している。

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