(写真・琉球新報社)
【嘉手納】終戦記念日の15日、県内で鉄血勤皇隊として戦場動員され命を落とした県立農林学校の生徒や教職員を追悼する農林健児之塔の慰霊祭が、嘉手納町嘉手納の塔前で開かれ、同窓生ら40人が集まり不戦を誓った。嘉手納町出身の戦没者を追悼する招魂之塔の前では平和祈願祭が開かれた。
県立農林学校同窓生代表の渡口彦信さん(89)=読谷村=は「戦争では多くの人を傷つけ、人を殺すことが褒めたたえられた。私たちは過去の過ちを深く反省し、風化させないよう努める責務がある」と話し、五百余人の戦没者の冥福を祈った。
式典では、嘉手納中3年の安里菜生さん(14)が嘉手納町の平和メッセージ作品展で最優秀賞を受賞した作文を読み上げ「先人が必死につないでくれたこの命を大切に過ごすことも私たちにできることだ」と語り掛けた。
県立農林学校同窓会は2009年に会員の高齢化を理由に解散し、以降は嘉手納町が塔の管理をしている。
同町出身の戦没者ら649人の名を刻銘した招魂之塔での平和祈願祭は、町遺族会や各団体から100人以上が参加し、犠牲者を追悼した。屋良小5年の知念寛平君(11)、嘉手納小6年の島袋真実さん(12)、嘉手納中3年の塚島琉花さん(14)が平和への祈りを込めた詩を朗読した。
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