食育イベント「食まる!スマイルガーデン」で講演した木村悠方子さん(右)
(写真・琉球新報社)
木村拓哉さんの母・木村悠方子(まさこ)さんを招いた講演会が20日、沖縄県内で開かれました。一般社団法人「三月のひまわり」顧問として、東日本大震災の被災地支援や朗読会など、全国で講演活動を続ける悠方子さんは、命に対する優しいまなざしと柔らかな言葉で来場者を包み込み、会場には涙を流す人もいたほど。とはいえ講演会では「キムタク」の「キ」の字も語られない…。趣旨が違うと分かっちゃいるけど、やっぱり気になる! 講演会終了後、ご自身の子育てについて直撃してみました。
■「ダメ」と言わずに一緒にやる
―どうやって「キムタク」さんを育てられたんですか?
「いえいえ、大層なことなんてなにも…。ただ、(息子2人が)生まれてきてくれて出会えたことが、ただうれしくて楽しくて。むこうは男でしょ? 私は女で分からないことだらけ。だから、できるだけ『ダメ』と言わないで、自分も一緒にやってみようかな~、って感じでした」
―例えばどんなことを?
「中学生のころ、釣りに行ったら帰ってこない。『何で帰ってこないの?』って思うじゃないですか。子どもだけで行くから心配だけど、『見に行く』と言っても嫌がられる。だから『お弁当作って後で持っていくねー』と。そして一緒にやらせてもらう。魚が釣れた瞬間のビビビッを感じると、釣りの面白さを体感できる。そしたらもう、帰りたくない理由が分かりますよね」
―反抗期などはあったんですか?
「15、6歳のころは(デビュー前後の)激動期でしたし、あまり感じなかったですね。(反抗心を)出す暇もなかったのかも。あ、でも私が鈍感だから感じなかっただけかも(笑)。同年代の皆さんのご縁をいただき、いろいろと教えてもらえることも大きかったんじゃないでしょうか」
■「遠くから見守り続ける」
―子育てで大切にしていたことを教えてください。
「子育ては『親』という字そのものですよね。『木』の上に『立』って『見』る。近くにいたら見えないこともある。『元気であってほしい』と遠くで見守り続ける、祈り続けることが大切じゃないでしょうか」
■生まれてきてくれたことに感謝
―講演会の中で「沖縄は世界の中心」とお話されていました。どんな意味でしょうか?
「もちろん、その人が立っている場所が中心だって思いもあります。ただ、それだけでなく、沖縄は大切な場所だと思います。私は『沖縄』というより『琉球』っていう言い方が好き。沖縄の人々は昔から自然に感謝し、祈りをささげ、自然と共存して生きてこられたと聞いています。大切な生き方をしてこられたんじゃないかと思います」
―沖縄で子育てされている皆さんにメッセージを。
「今回のイベントを主催された女性たちもそうですが、皆さんしっかり自分をもっているけど、主張ばかりじゃなく融和を大切にされていて、とてもすてきです。親と子は縁あって親子になるんです。自分を選んで生まれてきてくれことに感謝すれば大丈夫だと思います」