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県内タクシー業界では初めての事業所内保育所として開園を控える沖東交通の「オレンジキッズランド」=2日、那覇市首里石嶺町(写真・琉球新報社)

 

沖東交通(西原町、東江一成社長)は、沖縄県内のタクシー業界では初めてとなる事業所内保育所「オレンジキッズランド」を13日に開園する。男性職場の印象があるタクシー業界だが、同社は2016年12月に国土交通省の「女性ドライバー応援企業」に認定され、女性の積極的な採用や多様な働き方の検討を始めた。タクシー業界の人材不足や乗務員の高齢化という課題が深刻化する中、育児と仕事の両立を支援することで若い世代に目を向けてもらえる職場を目指す。

 

那覇市首里石嶺町の住宅街の一角に、子どもに人気のキャラクター、キティちゃんのイラストが入った看板が掲げられた。沖東交通が従業員のために運営を始める「オレンジキッズランド」だ。本社のある西原町のほか営業所などがある那覇市、浦添市からも利用しやすい場所として教会だった建物を改修した。

 

1階部分が吹き抜けになった地上3階建て。広々とした保育室に調理室なども備えた本格的な施設だ。内閣府が待機児童解消策の一環として16年4月に創設し、運営や施設整備で認可施設並みに助成を受けられる「企業主導型保育事業」の助成企業に決まり、設置を進めてきた。

 

東江社長は「県内のタクシー乗務員の平均年齢は60歳を超え、新しい人材を確保して若返りを進めないと業界の存続は危うい。待機児童を抱えて仕事を探せないという人の手助けになることで、事業の発展につながっていけばいい」と語る。

 

乗務員に限らず、無線オペレーターや経理事務、貸し切りバス事業のガイドら沖東グループとして若手の採用を確保する上で保育所の存在が一役買うとみる。当初は従業員の児童を対象に定員19人だが、保育士確保など条件が整えば数十人の受け入れが可能という。運営しながら将来的には周辺企業や地域の子どもの受け入れも検討していく。

 

沖東交通の幸頭(こうがしら)勇人開設準備室長は「男性ドライバーでは不安があるという女性客の声に応えるためにも、会社の福利厚生として女性が働きやすい環境を整えていく。安心して子どもを預けられることは、女性だけでなく若いお父さんも助かることだ」と語った。

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