平田大一さんを先頭に稽古に励む中高校生たち=1日、南城市佐敷字新開のひまわり児童館(写真・琉球新報社)
島尻・佐敷村の小按司から身を立てて、三山を統一、琉球王朝初代王となった尚巴志の武勇伝を琉球古典音楽と伝統文化の持つ力強さで紹介しようと中高生が稽古に励んでいる。「現代版組踊『鬼鷲』琉球王尚巴志伝」の稽古に取り組むのは南城市を含む沖縄県内の中高生50人。総合演出として、県文化振興会理事長で南島詩人の平田大一さんが指導に当たっている。
琉球音楽の始祖といわれる赤犬子を登場させ、三線を携えて各地を旅していた赤犬子(阿嘉)が旅先で出会ったおもろと我聞(がもん)と共に、阿嘉が育った読谷村に戻る。その途中、雨に降られ、雨宿りした読谷間切りの佐敷の森で尚巴志王の墓に出合う。
なぜ人里離れた場所にかつての偉大な王の墓があるのか。なぜ読谷の森を「佐敷の森」というのか。阿嘉が鬼鷲と呼ばれた尚巴志王の歴史を、おもろと我聞に話し、聞かせて展開していく。
主役の尚巴志役に首里東高校3年の瀬長佑太さん(18)、相手役のきよらには浦添高校3年の平良莉子さん(18)が当たる。他の生徒と共に、尚巴志の武勇伝や英雄となった逸話の鮫退治、民に慕われる王になっていくさまを紹介し、音楽を通じて舞台を盛り上げる。
関連カテゴリー: