石垣島に導入される電動スクーターを発表する住友商事の関係者ら=28日、東京都の表参道ヒルズ
台湾で電動スクーターのシェアリングサービスに取り組むGogoro社(本社・台湾桃園市)と住友商事(本社・東京都)は28日、バッテリー交換式電動スクーターと充電ステーション4カ所を本年度内に石垣市内に導入すると発表した。国内での導入は初めて。今回は運用実証と位置付け、沖縄を皮切りに全国、特に都市部に広げる考えだ。両社は、エコアイランドを推進する石垣市と連携し「持続可能な発展を目指した島づくりを支援する」と表明した。
石垣市は内閣府の沖縄離島活性化推進事業の補助金を活用し、充電ステーション2カ所の発電に使用する太陽光パネルや蓄電池を年内に整備する。整備費は6千万円。災害発生時の緊急的な電源としても活用する方針。スクーターのバッテリーがインターネットにつながっていることから、観光客の周遊ルート把握にも役立てたい考えだ。
バッテリー交換式電動スクーターは、充電に広い場所と時間が必要な従来の電気式車両と比べ、バッテリーそのものを交換することで、交換時間が6秒で済む。広い場所も要らず、台湾では累計3万4千台以上、ステーション421カ所以上で利用されている。スクーターはシェアリングサービスで乗り捨てが可能になっている。
石垣市は、観光客が急増していることから、レンタカー利用者の増加に伴う排ガスの問題、交通インフラや駐車場不足の問題が生じている。住友商事は、電動スクーターの導入により、これらの課題解決にも貢献できるとみている。
中山義隆市長は「自然環境に配慮した交通手段を確保することで、観光客や市民により良いサービスを提供できる」と歓迎した。
スクーターとステーションはGogoro社製を採用する。導入するスクーターの台数や料金は検討中。ステーションは、石垣空港、石垣市役所駐車場、川平海岸、伊原間の4カ所に設置する予定で、一部では太陽光パネルを使う。
Gogoro社と住友商事は戦略的パートナーシップを締結、住友商事はGogoro社が実施した約300億円の第三者割当増資の一部を引き受けた。