名護市の源河川で発見された「カワウミヘビ」の標本(沖縄美ら島財団提供)
【名護・本部】沖縄ちゅら島財団総合研究センターの研究グループは5日、昨年6月に名護市の源河川で見つかった魚類が、国内初確認のウミヘビ科の魚類「ラムノストマ・ミンドラム」だったことを発表した。同科で淡水に生息する種が確認されたのは国内初で、和名は「カワウミヘビ」と命名された。世界でも6カ所目の発見で、源河川が北限の発見となる。
発見したのは京都市の会社員新谷哲也さんと息子で小学6年生の隼平君。源河川で見つけ、自宅に持ち帰って飼育していた。飼育法を聞くため新谷さんが同財団に問い合わせたところ、淡水域で発見されたことなどから、国内初確認の種である可能性が浮上した。
魚は昨年10月ごろに死んでしまい、新谷さん親子は標本として同センターに提供した。同センターは体型や骨の数などを調べ、台湾で発見された同種の形態などを記した論文と照合し、「ラムノストマ・ミンドラム」だと確認した。
同センターの岡慎一郎動物研究室係長は「沖縄の生物多様性を示す発見だ。一般市民が発見したことも意義は大きい」と話した。
発見は琉球列島の動物分布を扱う学術誌「Fauna Ryukyuana」に掲載された。
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