「音楽の持つ力で人々に多くのメッセージを伝えたい!」
邦画史上、最大のスケールで制作された長編大作『沈まぬ太陽』(全国拡大ロードショー中)。
3時間を超える作品のため、劇場では約10分間のインターミッション(中休憩)が設けられているが、そこで流れるバイオリン曲を演奏しているのが今回の歌姫、英国在住のバイオリニスト・ダイアナ湯川さん (24)。
ダイアナを紹介するとき、また今回の映画になぜ彼女の曲が使われたかを説明するには、
彼女の亡くなった父親の事故について触れなければなりません。
じつは彼女、520人の死者を出した1985年8月の日航機墜落事故で、日本人の父を亡くし、その1カ月後の9月に生まれた女の子。
5歳からバイオリンを始め、14歳で衝撃のデビューを飾ったダイアナは、そのデビューを前に御巣鷹山で慰霊のバイオリン演奏をおこない、当時メディアでも大きく取り上げられました。
そして今回、『沈まぬ太陽』が映画化されると知った彼女は、
「事故の関係者として、一人の音楽家としてこの映画に関わりたい」
と自ら映画会社に働きかけ、楽曲『祈り[永遠の記憶]』を提供することになったのです。
ダイアナは言います。
「事故を風化させてはならない。
二度とあのような惨事を招かないためには、人々が事故を忘れず語り継ぐことが大切」と。
そして、事故を知らない若い世代たちに「事故について知ってほしい」という思いを
音楽で伝えているのです。
今年、ソロとしては8年ぶりに活動を本格化し、10月に3作目となるアルバム『バタフライ・エフェクト』を発売。
もともとクラシックでデビューしたものの、クラシックだけにとらわれず、ポップスやロックなど他のジャンルとのクロス・オーバーな楽曲作りに果敢に挑戦中です。
エキゾチックな顔立ちからポンポン飛び出す言葉は明朗闊達。
自分の運命にポジティブに向き合う姿勢は、きっと聞く人に生きる勇気と力を与えてくれるはず!
それでは、インタビューをどうぞ!!
The Butterfly Effect/バタフライ・エフェクト
ソニーレコーズインターナショナルより発売中
映画『沈まぬ太陽』参加楽曲『祈り[永遠の記憶]をボーナストラックとして収録
だいあな・ゆかわ★
’85年9月、東京、広尾に生まれ、生後まもなく母の祖国英国に移り、ロンドンに育つ。5歳でバイオリンを始め、’00年、14歳の夏、クラシカル・アルバム『天使のカンパネラ』でセンセーショナルなCDデビュー飾った彼女は、アルバム発売に先立ち、同年 8月12日に御巣鷹山にて父に捧げる『エレジー』を演奏し大きな注目を浴びる。同作品は、日本でのヒットに続いて、翌年彼女の本拠地英国でも『Elegy』というタイトルでリリースされ高い評価を受けた。今年10月、2枚目のアルバム発売から8年を経てカムバックを果たす。