ジェニファー・ローレンス
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米国時間24日夜、ロサンゼルスのドルビーシアターで開催された「第85回アカデミー賞」受賞式。ダニエル・デイ=ルイスが主演男優賞を、ジェニファー・ローレンスが主演女優賞をそれぞれ獲得し、スピーチであふれ出る喜びを語った。
『世界にひとつのプレイブック』で主演女優賞に輝いたジェニファー・ローレンスは2度目のノミネートで初受賞となる。ジェシカ・チャスティン(『ゼロ・ダーク・サーティ』)やナオミ・ワッツ(『インポッシブル』)ら強力なライバルを抑え、名前を呼ばれた瞬間は目を見開き、信じられない、といった表情を浮かべた。ステージに上がるときに思わずつまずき、「私が今転んだから、みなさん立ち上がってくれたんでしょう?」と冗談を飛ばしながらも、「ありがとう、ありがとうございます。本当に信じられません。他の役者の方からたくさんのインスピレーションを与えてもらえました。あっ、エマニュエルさん、お誕生日おめでとう。本当にありがとうございました」と興奮が隠しきれない口調でスピーチした。着用しているアイボリーのラインが美しいドレスはクリスチャン・ディオールのオートクチュールだ。短く切りそろえた爪にドレスに合わせたオフホワイトのポリッシュを塗っているのが好印象。
アカデミー史上初となる3度目の主演男優賞を獲得したダニエル・デイ=ルイス。昨年、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で主演女優賞を手にしたプレゼンターのメリル・ストリープからオスカー像を受け取り、「どうしてこんなことになったのか本当にわかりません。ただ1つ言えるのは、幸運に恵まれているということだけ。この名誉に感謝申し上げたい」とまず一言。
続けて、「実は3年前、私はマーガレット・サッチャーを演じるはずだったんです。そしてスピルバーグはリンカーンの第一候補にメリルを挙げていたんですよ。そのバージョンをぜひ見たかったですね。他にノミネートされた方は皆さん、私と同等です。皆さんとノミネートされて光栄です。私は16年前に結婚しました。それからというもの、妻のレベッカは奇妙な男達(共演者や撮影クルー)と共に生活してきました。彼女は非常にうまくそういった人たちと生活してくれるんです。本当に感謝しているよ。プロデューサーのキャシー(キャスリーン・ケネディ)のおかげで素晴らしいチームがそろいました。筆頭には3人の男がいます。トニー・クシュナー(脚本)、キャプテンのスティーヴン・スピルーバーグ、そして謎めいたエイブラハム・リンカーン。この賞を母に捧げます」とユーモアを交えて感謝の意を述べた。
作品賞はベン・アフレックが監督、主演を務め、7部門にノミネートされた『アルゴ』に贈られた。プレゼンターを務めたのはなんとミシェル・オバマ米大統領夫人。中継で結ばれたホワイトハウスから作品賞にノミネートされた作品すべてに賛辞を贈った。
ステージに立ったアフレックはまず「スティーヴン・スピルバーグ、天才です。心から尊敬しています」と、『リンカーン』で作品賞を争った偉大なる先人に敬意を表し、「ノミネートされた8作品のどれもが受賞に値します。すばらしい努力に感謝します。兄弟、両親、トニー・メンデス(自身が演じた役名)、映画に関係したあらゆる人たち、イランで大変な思いをしている人たちに感謝を捧げます。そして妻(ジェニファー・ガーナー)にも感謝します。イランと妻を同時に語ることはあまりないんですが、僕達の結婚10年を支えてくれてありがとう。最高のパートナーです」という感動的なスピーチで受賞式のトリを飾った。