Scott Stapp / Facebook
米国のオルタナティヴ・ロックバンド「クリード(Creed)でボーカルを務めるスコット・スタップ(41)が26日、自身のFacebookに「公式声明 #1」と題した動画を掲載し、その中で現在ホームレスであることを明かした。
「今は神の恵みでホリデイ・インに泊まっているけど、それまでの数週間はトラックで寝泊まりしてた。金がないんだ。ガソリンも、食い物もない。何も買えないから、2日間飲まず食わずで過ごして、病院送りになったよ」
クリードといえば、日本での知名度こそあまり高くないものの、米国ではチャートの1位獲得しただけではなく、全世界で4000万枚以上のセールスを誇る大人気バンドだ。1995年にデビューし、4枚のアルバムをリリースした後に2004年に解散。売れていたバンドが解散し、メンバーがソロ転向するもうまくいかず困窮するというケースはよくあるが、クリードは2009年に再結成している。では、なぜこれほど金に困っているのか。
事の発端は8週間ほど前。金が盗まれ、著作権使用料も払われていないことが監査で章かになったという。「俺を利用し、金を盗った人間がいるんだ。奴らは俺の評判を貶めようとしている。実は今、脅されているんだ。もし、これを公にしたら……今まさにそうしちゃっているんだけど、俺がこれまでにしてきたあらゆる悪事を白日の下にさらして恥をかかせてやる、そして俺の信頼を地に落としてやる、ってね」
さらに預金口座は、連邦税を司るIRS(アメリカ合衆国歳入庁)の手続き上のミスによって凍結されており、10カ月以上も資金が返還されていないとスタップは主張。また、誰かが預金口座から不正に金を引き出したため、その結果一文無しになってしまったのだとも訴えている。
なかなかに支離滅裂な主張だが、「決してクスリをやっているわけではない」としらふであることを強調し、信憑性を高めようと躍起になっている印象だ。
しかし、最近離婚を申請した彼の妻の証言を読んだ後ではそれも眉唾物に思われる。離婚申請書には、スタップがアンフェタミンとクリスタル・メス(いずれも覚醒剤)、ステロイドなどの薬物を使っていたことが明記されている。そして、自殺をほのめかしたり、家族に危害を加えると脅したりしていたともある。
金に困っての狂言なのか、薬物で想像と現実がないまぜになってしまっているのか、はたまたすべてが真実なのか——。声明ビデオは、「弁護士を通じて訴訟を起こす」という宣言で締めくくられている。