(C)Idris Elba on Twitter
様々な機密情報を流出させた北朝鮮によるソニー・ピクチャーズへのサイバー攻撃は、人種差別問題の火種もばらまいているようだ。
現在、ダニエル・クレイグからジェームズ・ボンド役を引き継ぐ俳優の候補に『マンデラ 自由ねの長い道』でネルソン・マンデラ役を務めたイドリス・エルバの名が挙がっている。ベテランのラジオパーソナリティ、ラッシュ・リンボーが、人種を理由にこの人選に反対する旨を同社の重役に宛てて書いたメールが流出してしまったのだ。
リンボーはタカ派の保守主義者として知られ、歯に衣着せぬ放言や罵倒で右派の人々からの人気が高い。当然、反オバマの旗手でもある。
メールにはこう書かれていた。
「ジェームズ・ボンドは、(著者の)イアン・フレミングがすべての概念を創り出した。彼は白人で、スコットランド人だ。ということは? ジェームズ・ボンドは誰だ? スコットランド生まれの白人よりも、アフリカ系英国人のイドリス・エルバにジェームズ・ボンドをやらせるべきだという声が多いことは知っている。しかし、それはジェームズ・ボンドが誰かという問題とは違う。まあ、お気づきだろうが、僕は人種差別主義者だよ」
エルバは次期ジェームズ・ボンドに目されているという噂を受けて、インタビューで「もしオファーが来たら是非やりたい。でも、“初の黒人ジェームズ・ボンド”とは呼ばれたくないんだ。この意味がわかるかい? 『ショーン・コネリーはスコットランド人のジェームズ・ボンドだった』。『ダニエル・クレイグは青い眼のジェームズ・ボンドだった』とは言わないだろ? だから僕も、『黒人のジェームズ・ボンドだった』なんて言われたくないのさ」と語っていた。
エルバがクレイグの後継者として指名されてもされずとも、各方面からの反発は大きそうだ。