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俳優のブラッドリー・クーパーが、往年の名作『スタア誕生』のリメイクで監督デビューを果たす。
ジャネット・ゲイナーとフレドリック・マーチが主演した『スタア誕生』(1937)は、生き馬の目を抜くようなハリウッドの世界に生きる1人の女優の隆盛と没落を描き大ヒット。1954年にはジュディ・ガーランド主演で、さらに1976年には舞台を映画界から音楽界に移したバーブラ・ストライサンド版のリメイク『スター誕生』が作られている。
米ワーナー・ブラザースは2011年頃からクリント・イーストウッドを監督に据えて、このリメイクプロジェクトを進めてきた。一時はビヨンセが主演に決定したものの、妊娠したことにより降板。イーストウッドも『ジャージー・ボーイズ』の製作に取りかかり、『スタア誕生』リメイクは保留となっていた。
クーパーはこれまでに『ハングオーバー!!!』シリーズ、『アメリカン・スナイパー』を成功に導き、ワーナー・ブラザースとは蜜月の関係にある。関係者によると、クーパーが自身でメガホンを取る作品をいくつか検討していた折に、ワーナーの方から『スタア誕生』の話を持ちかけたのだという。
クーパーは監督と兼任してプロデューサーも務める。共同製作は1976年の『スター誕生』をはじめ、『レインマン』『バットマン』『マン・オブ・スティール』などを手がけたジョン・ピーターズ、『グラン・トリノ』のビル・ガーバー、『エクスペンダブルズ』シリーズのベイジル・イワンイクという大物揃いの重厚な布陣だ。
『世界にひとつのプレイブック』、『アメリカン・ハッスル』、『アメリカン・スナイパ−』と3作でアカデミー賞にノミネートされているクーパーだが、未だ受賞は果たしていない。このリメイクが成功すれば、男優賞の前に監督賞を獲得してしまうかもしれない。