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(C)Dr. Phil

 

映画『シャイニング』のジャック・ニコルソン演じる主人公に追い詰められる妻ウェンディ役で一躍人気女優となったシェリー・デュヴァル。現在67歳の彼女は、2002年の『Manna From Heaven』以降まったく女優活動をしていない。そんな彼女が現役医師フィル・マグローがホストを務める人気番組「ドクター・フィル」に出演し、変わり果てた姿を公にした。

 

「私はものすごく病んでる。助けが必要なの」

 

そう口にするデュヴァルに、かつての面影はほとんどなかった。精神障害を患っていることをあっさりと告白した彼女は『ポパイ』で共演したロビン・ウィリアムズについて「彼は死んでない。変身できる能力を身につけたのよ」と持論を展開。また、「大統領から秘密のメッセージが送られてきている」「毛深い胸は欲しくないから、バミューダ・トライアングルから脱出しなくっちゃ。だって私、チアペットじゃないもの」といった意味を成さないお喋りに終始した。チアペットとは、動物の形をした素焼きの土台にチアシードを植えつけ、発芽すると毛が生えたように見えるという栽培キットだ。

 

マグローは医師の観点から、ヂュヴァルには専門的な治療が必要であると判断し、インタビューの収録後に彼女を治療施設に入所させたことを発表。しかし彼女は投薬を拒否し、治療の同意書へのサインも拒んだため、家族と共に家へ帰されたという。

 

「私たちは今、シェリーのお母さんと直接やり取りしながら、薬を使わない代替治療を行う地元の専門家団体にお願いして、彼女のケアにあたっています」とマグローは満足そうに報告し、番組を締めくくった。

 

しかし、彼女の姿と言動に衝撃を受けた視聴者の中には、番組の姿勢に怒りを覚える人もいた。『シャイニング』を監督したスタンリー・キューブリックの娘、ヴィヴィアン・キューブリックはTwitterで番組宛てに抗議文を送った。

 

「彼女が健康を害して苦しんでいるのに、あなたはショーに引っ張り出して見せ物にしました、疑うところなく、これはおぞましく搾取的なエンタテインメントの形です。本当に残酷です」

 

キューブリックは放送の翌日、クラウドファンディングサイト「Go Fund Me」で、デュヴァルを援助するための資金を集め始めた。目標額は10万ドルで、22日午前の時点で22,378ドルが寄せられている。

 

また、ショウビジネスに関わる人が危機に陥った際のセーフティネットとして1882年から活動を続けている老舗団体「The Actors Fund」もデュヴァルの支援に乗り出し、「社会福祉から直接的な資金提供まで、より幅広い援助を行う準備ができています」とコメントを出している。

 

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