人気絶頂だった1996年のスパイス・ガールズ 写真：Retna UK/アフロ
90年代に全世界を席巻した英国のガールズユニット「スパイス・ガールズ」。今年、ヒット曲「Wannabe」リリース20周年を記念する再結成ツアーが予定されているが、その行く末に暗雲が立ちこめている。
オリジナルメンバー5人のうち、再結成に参加するのはジェリ・ハリウェル、エマ・バントン、メラニー・ブラウンの3人のみ。今回の再結成ではそれぞれの名前の頭文字を取って「GEM」というユニット名を使用することが決定している。メル・Cことメラニー・チズムは、ソロ活動が順調であること、2012年のロンドン五輪閉会式でのパフォーマンスがグループのピークであると考えていることから、再結成への不参加を表明。
自身の名を冠したファッションブランドを展開するヴィクトリア・ベッカムは、デザイナーとしてのイメージが毀損されることを嫌い、ポップグループに在籍していたという過去を切り離したがっていると言われている。また、夫婦で巨額の収入を得ているため、19億円とも噂される再結成のギャランティーにも食指が動かなかったとか。しかし、スパイス・ガールズとして活動した経歴は誇りに思っているようで、昨年出演したトークショーで「GEMはオリジナルの曲を歌うべき。だって、私達がスパイス・ガールズでやってきたことは特別なんだから。それでも彼女たちがスパイス・ガールズの曲を歌うというなら悲しいわ」とコメントしたのだ。過去の栄光を汚したくない、との思いが強いのだろう。
また、GEM内部にも不安材料がある。ジェリ・ハリウェルが2014年に結婚した元F1レーサー、クリスチャン・ホーナーの子どもを妊娠したのだ。ハリウェルは以前のパートナーとの間に10歳になる女児をもうけているが、44歳での第二子妊娠に喜びもひとしおのようで、Sun紙の取材によると「ジェリのプライオリティは変わりました。赤ちゃんは今年後半に誕生予定で、再結成よりも家族のことに集中するべき、との思いを強くしているようです」と関係者が話しているという。
さらに、先週末にはベッカムが弁護士を雇い、再結成を中止させるよう訴訟に乗り出したとの英Sun紙の報道も飛び出した。もっとも、こちらについてはベッカム側が「事実無根」とのコメントをすぐに出しているが、双方の亀裂がそれほどまでに深いことを印象付ける結果となった。
昨年7月に公開されたGEMのオフィシャルサイトも開設以来一切更新されておらず、ツアー日程などのアナウンスも未だにない。「スパイス・ガールズ再結成」はまぼろしとなってしまうのだろうか。
